収納不足恐怖症!?収納家具はそんなに多くはいらない

収納不足恐怖症!?収納家具はそんなに多くはいらない

みゆう設計室ではものを使いやすく収納できるように収納計画し、どの家にも必要な収納スペースを多めに設けています。ヒアリングを重ねて「暮らし方」「使いやすい収納」を配慮して設計していても、建築主から収納に対して「足りるかな・・・」と心配されるケースは意外と多いのです。

インテリア訪問相談でも「なぜその収納家具があるのですか?」と思う家が結構あります。収納スペースが足りない恐怖症なのでしょうね!今回は収納不足だと感じてしまう理由収納家具はたくさんあれば良いとは限らない理由について紹介します。

収納スペース不足恐怖症になる理由

和室に置かれた古い箪笥

「収納スペース不足恐怖症」になる理由は、置くべき場所に収納がないので収納が足りないと感じてしまうからです。以前、使う場所の近くに収納が無いから、その使う物を収納できる家具を買い足してしまう相談者さんがいました。

その家をよく見ると収納はあるのですが、頻繁に使わないものが既に置かれているために置く場所が失われていたり、同じカテゴリーの物(バッグや帽子、書類など)を家のいろんな場所に分散して置いていました。分散して置いてしまうので物が把握できず、使っていないものが増えています。よく使うものを集約して必要な場所に置き換えれば、いくつかの収納家具を無くしても大丈夫なように見えました。

つまり、必要な場所に収納があり、家の持ち物を把握できるようになれば収納スペースはそこまで増やす必要はないのです。

収納面積より、使える収納スペースが必要

オープン棚で一目見て置いているものが分かるパントリー
一目でわかるパントリー収納

収納計画をする上で、床面積の8~15%の収納率にすると良いと言われることがあります。例えば40坪の面積の家では収納率15%の6坪(つまり12帖)相当の収納が適しているかもしれませんが、2階奥にまとめて12帖の納戸を設けたとしても使いやすい収納にならないことは誰でもわかると思います。

大事なのは収納面積ではなく、その家の持ち物を適切な場所における「使える収納スペース」が必要なのです。

使える収納スペースの作り方
  • 物を使う場所の近くに収納(収納家具、クローゼットなど)を設ける
  • 「持っている物」に適した場所に収納を設ける
  • 「持っている物、使う物」を取り出しやすく、片付けやすい収納を設ける
  • 持ち物が把握できない収納はつくらない

ものを使う場所に適した収納があるか

コートやカバン、スポーツ用品が収納できるシューズクローゼット
玄関横にバッグ・コートなどを片付けられる

「収納が足りない!」という人は、物を片付けたい場所に収納が無いため収納不足だと感じていると思います。私は具体的に何をどこに置きたいかというヒアリングをして収納計画をします。一般的には頻繁に使わないものも、その人にとっては頻繁に使うものかもしれません。

衣類の収納に関しても、ウォークインクローゼットに収納したい衣類と、洗面所の近くに置きたい衣類があるでしょうし、小さなお子さんの場合はリビング近くに置くかもしれません。

特にリビングダイニングでは過ごす場所の近くに収納が無くて困るケースが多いです。リビングのソファにコートをかけるのは、リビングに簡単にコートをかける場所が無いのが原因です。自分たちの生活パターンや癖を考えて、いつも物が置きっぱなしで困る!と感じる場所に収納を作りましょう。

置くものにフィットしたサイズの収納が必要

適度な奥行のウォークインクローゼット

収納はたくさんある方が良いと思って作った収納が使いにくい、という相談は少なくありません。その理由は「収納の奥行が合わないから」です。とりあえずたくさん収納を作っておけば安心と思いがちなのですが、大きいものを収納したいのに入らない、小さい物しか入れないのに奥行が深すぎてうまく収納できない、という悩みはとても多いのです。

布団を収納する場所には布団に適した奥行の収納、衣類をハンガーにかけたいときはそれに適した奥行の収納、かごに物をいれて棚に入れたいときはそのかごに合う奥行の収納が必要です。大きいものを入れる収納は限定されています。お雛様、お布団、季節家電(扇風機やヒーター)、スーツケース。家にある大きい物が収納できれば、あとはそこまで奥行を深くする必要はありません。

把握できない物が置かれている収納はない?

押入の中も何がどこに入っているか把握する

住宅設計の打合せの時に押入の奥に入っているものは私も把握できないことがあり、そして建築主もかなりの確率で把握していません。持ち物をリストアップして頂くと、持っていることを忘れていてリストに入っていないものは結構あり、引っ越し作業をするときに初めて気づくものもあります。

実際収納のプランニングにはそれくらいの余白は設けているので収納不足になったことはないのですが、それくらい奥まった収納は「把握できない物置場」なのです。

家族の思い出の品や、使わないけれども捨てられないものは誰もが持っているでしょう。それを必ずしも処分する必要はないと思うのですが、それらが何でどこに置かれているかを常に把握できた方が良いと思います。

収納家具がひとつ増えると、家が狭くなる

リビングダイニングまわりに設けた収納
リビングダイニングまわりに設けた収納
収納家具を買う前に再考すること
  • 本当にその部屋で使うものなのか
  • その部屋に置いている他の家具に収納できないか
  • その収納以外の場所に収納しても良いものがあれば置き換えられるか

収納家具がひとつ増えると、家が狭くなる。そして、収納家具が増えれば物も増える。そのあたりを意識すると、収納家具を安易に買わなくて済むと思います。

収納する場所が無い場合、収納するための家具を購入する前にこれらをもう一度考えてみてくださいね!

まとめ:収納家具が増えれば物も増える

実際は家と比較して持っている物が多いケースが多いです。自分たちの生活に必要な「もの」と、これ以上増えたら生活し辛くなる「もの」のキャパを感じて暮らせると、きっと暮らしやすいんだろうと思います。収納家具を増やすより、家具や収納の中身の入替をして、使える場所に使いたいものを収納できるようにしましょう!

まとめ
  • 物を使う場所に適した収納を設けよう
  • 収納面積より、使える収納スペースが必要
  • 置くものにフィットしたサイズの収納が必要
  • 物が把握できる収納を作ろう!
みゆう建築士
みゆう建築士

とりあえず収納を確保するのではなく、適した場所に適した収納を作ると暮らしやすいですね。家と持ち物にフィットした造作家具をつくると収納量も増え、持ち物を把握しやすくなるのでオススメしています。

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