魔法をかけたように素敵な住まいをつくる設計者と出会うこと

相性の良い住まいの設計者と出会うには?
そのような質問を受けることがありますが、一番はその設計者のデザインが好きであること、2つ目に家族のことや家事・暮らしのことを話したいと思う人であること、3つ目に考えに共感できること、だと思います。

私のところにはそのような理由で来られる建築主が多いです。

その一番目の「設計者のデザインが好きであること」または「建築家に頼めば憧れの暮らしができる」という理由で設計を依頼すると、自分がイメージしていた憧れの家ではない、とがっかりすることもあるようです。
私もそのようなことを建築主に言われたことがありました。

魔法をかけたように素敵な住まいを作れると思っていた

あるリノベーションの初回プレゼンテーションの際、最初にお伺いした時に聞き取りしたご要望を整理し、その要望に対してストレートな空間の使い方を提案しました。
その時に建築主に言われた言葉がとても印象に残っています。

「もっと、私たちが想像できないような、魔法使いが魔法をかけてくれるようなデザインが、みゆうさんからパーッと見せられるかと思っていました。」

憧れの家

自分の想像できない素敵な住まいは作れない

ご要望に対してシンプルにお応えしたプランではありましたが
「思ったよりも、今の暮らしとの差も分からないし、ほかの家で見た素敵な暮らし方とは違う。」
と言われました。

その時、最初に伺った要望の「ことば」の奥にあるものが、私が思うよりもずっと深かったことに気づきました。
ただ家を美しくするためのリノベーションをしたかったのではなく、小さな不満を重ねていた暮らしを変えたいと思われていたのでした。

そこからじっくり時間をかけてお話を伺いました。その「素敵な暮らし方とは違う」という気持ちの意味を。
「なぜリノベーションをしたいのか」
「なぜ今までと生活スタイルを変えたいのか」
「変えたくないものと、変えたいもの、それは何なのか・・・。」
少しずつ、ゆっくり。それ以前は無かった話をたくさん聞くことができました。
家族の関わり方、ちょっとした不満の積み重ね、暮らしを変えたいと思う気持ち。

要望は「頭で考える空間の条件」であり、実は「心で考える暮らしの条件」とは相反している部分がたくさんありました。

そして、自分たちが望むものがはっきりしていなければ、魔法をかけたように「素敵な住まい」を作ることはできないと建築主ご自身が気づきました。

設計者は見えない要望まで読み取れない

設計者は要望に対して住まいの形に落とし込むことは可能ですが、見えない要望まで読み取るのは不可能です。
超能力者ではありませんから(笑)

でも、その要望の中に「見えない要望がある」ということに気づくことは可能です。
そのために一番大事なのが「対話」です。

話すことで(時にはメールなど文字でやりとりすることで)自分では気づかない本心に気づくことがあります。
自分では気づかない矛盾の理由が分かることがあります。

だからこそ、家族のことや家事・暮らしのことを話したいと思う設計者である、という点が大事だと思うのです。

家づくりの要望

自分たちの暮らしをイメージし、設計者ときちんと対話する

設計者ときちんと話し、自分たちの暮らしのイメージをしっかり伝えられれば、憧れの素敵な住まいを作ることも可能です。

自分が苦手な家事のこと、こだわりの子育て方針、夫婦の距離感、大好きな食べ物、自分の居場所・・・。
設計者に全て委ねるよりも、これらのイメージを伝えた方が良い家ができるのです。

きちんとイメージを伝えることができれば、相性の良い設計者は想像を超える「魔法をかけたように素敵な住まい」をデザインできると思いますよ。

住まいのイメージを読み取る

Miyudesign

みゆう設計室代表・神戸の女性一級建築士。
母・主婦目線で家族の暮らしから住まいをデザインします。
ご飯が美味しくなった!と言われる家、家事負担を減らし、リラックス時間を楽しめる家の設計はお任せください。中学生兄妹、年子の母。
家族と家づくりとヴィッセル神戸が大好き。