家事室って何のための場所?

家事室って何をする場所?

かつてはご主人の個室は「書斎」で、主婦の個室が「家事室」と呼ばれていた時期があります。
その表現を疑問に感じる方も少なくないと思います。

住人十色で紹介された時のキッチン

私もその部屋名の考え方に違和感を感じていたことがありました。
正直家事がそれほど好きではない私は、わざわざ「家事室」なんて作らなくて良いのに、と思うくらいでしたので。

でも「家事室」という表現も使われ方も時代と共に変わっています。

「家事室は主婦のための部屋」という考えは既にひと昔前のもの。今は家族の役割を固定しない機能的な「家事室」が人気です。

では、そもそも家事室って何のための部屋なのでしょうか。

「家事室」は家族の役割を固定しないワークスペースのひとつ

今の家事室はシンプルに「家事をするための空間」です。

日常を過ごすリビングダイニングなどのリラックス空間と家事とを分けるために設けられるのが「家事室」です。

今では夫婦共働き家庭も多いですし、奥様が仕事部屋を必要とし、ご主人が家事をする家庭も増えています。

みゆう設計室の場合は「書斎」も「家事室」も、お子さんが学習に使うファミリーデスクのある空間も「ワークスペース」と分類します。そのワークスペースには、だれがその空間を使うかという意味は固定しません。

家事も仕事も勉強も、親がしてもいい、おじいちゃんおばあちゃんがしてもいい、子どもがしても良いものです。

もちろん家族で役割分担をするとしても、誰のための空間と決めていても、誰もが使えるのがワークスペースなのだと思います。

インナーテラスのある家の書斎

「家事室」の歴史

今まで「家事室」とはどんな部屋として扱われていたか振り返ってみました。

私が学生の頃、建築雑誌などで学んだ古い住宅の間取りには「家事室」という部屋名が書かれていました。古い時代の「家事室」はお手伝いさんが家事という仕事をする部屋という意味合いもありました。

その後、主婦のためのスペースとして「家事室」というワードが再び使われるようになりました。ミシンやアイロンを使う場所であったり、家計簿をつけたりパソコンを使ったりする小さな部屋のことを「家事室」という間取り事例が2000年以降見られました。

最近の家事室は、ユーティリティと言われることも多いですが、洗濯に関連する家事(洗濯、部屋干し、アイロン、ミシン、衣類管理など)ができる部屋のことを言うことが増えてきている気がします。

50年ほどの間に家事をどんどん機械に頼れるようになり、今も家事のスタイルが年々変化しています。つまり「家事室」の発想も変化していくものなのですね。

「家事室」として分けたい家事機能

今喜ばれる「家事室」は日常を過ごすリビングダイニングなどのリラックス空間と家事とを分けるための空間。

家族誰もが家事がしやすい空間です。

リラックス空間と分けられない家事は掃除・片付けです。また料理という家事をするキッチンもリビングダイニングと一体の方が好まれます。

家事室として分けたい家事機能をあげてみます。

  • 洗濯→洗濯、物干し、アイロン、ミシン、衣類管理まで
  • 片付け→リビングダイニングをすっきりさせるための収納ターミナル。ストック品の収納など。
  • 書類整理→家計簿、レシート管理、重要書類管理など
  • 掃除→掃除道具の収納

とても便利なイマドキの「家事室」

リラックスできるリビングダイニングや個室と分けたい「家事機能」。その家事機能を集中させた部屋が、イマドキの「家事室」なのではないかと思います。

そのような「家事室」をつくることで、家事動線の短い家になりますね!

作業ができるアイランド洗濯機

作業ができるアイランド洗濯機

「森を望む家」の場合は洗面所に作業ができるカウンター、室内干しスペース、すぐ隣にファミリークローゼット、近接して掃除機置場や充電を集中させたスペースがあります。

「家事室」として設けた空間ではありませんが、家事機能を集中させていることと、その作業をするスペースがあること、楽に片づけられる部分が隣り合っていること、というのが家事ラクに繋がっている間取りの家です。

洗濯にまつわる家事を楽にする「家事室」

「家事室」として一番必要とされるのが、洗濯に関する一連の家事を集中させる空間です。

洗濯は作業の多い家事です。

洗う、干す、畳む(片付ける)、衣類管理をする

バルコニーがリビングに隣り合っている間取りだと、リビングで洗濯物を畳む人も多いでしょう。また日当たりも風通しも良いのでリビングで部屋干しをする家も多いと思います。

でも、それらが片付かないと家が片付かない、という状況にもなりがちですし、ホコリも落ちます。

そこで洗濯の一連の家事ができ、小さなお子さんには触ってほしくないミシンやアイロンなども使える「家事室」があると良いと思います。

部屋干しできるインナーテラス

インナーテラスのある家のワークスペース(室内干しスペース)は、洗濯物を洗面所の洗濯機から直に取り出すことが可能です。バルコニーと隣り合っているので外干しもOK。

ここには洗濯を干す道具も収納できますし、掃除機やストック品も収納しています。タオルなどをすぐに収納できますし、日常着などは洗面所内の家具に収納できます。

洗面所内には作業カウンターがあるので、畳む作業も可能です。床暖房が入っているので冬場の作業も苦痛ではありません。

ライフスタイルの中の「ワーク」を考えた間取り

「森を望む家」の場合は、キッチンに奥様用のワークスペース(書斎的なスペース)を設けました。

家に持ち帰った仕事ができるようにプリンターとパソコンを置き、壁にはレシートをストック。
ここに仕事用のバッグを置くことも。

なぜキッチン?という感じはするかもしれませんが、料理の合間に仕事をする、奥様にとっては家事も仕事も「ワーク」であり、その「ワーク」の時間を短縮するための方法なのだそうです。

つまり、暮らしの中での「ワーク」を自分仕様に集中させる。これが便利な「家事室」「家事空間」「ワークスペース」をつくるコツなのだと思います。

キッチン内のデスク

森を望む家のキッチン内のデスク

自分たちにとっての楽しい「家事室」をつくる

 家事をするための場所が「狭く」「条件の良くない部屋」であると、家事をする気持ちが盛り上がりません。

そのため家の中の心地良いゾーン(日当たりが良い、風通しが良いスペース)にワークスペースをつくることも多いです。

私自身ができることなら楽しく家事をしたい。
そういう思いを活かして、どんな空間だったら家事が楽しくなるのか考えます。

風通りよく、明るく、窓から見える景色に心癒される。

家事もできるフリースペース

フリースペースでアイロンがけも洗濯も室内干しもできる

「柚子の実る家」は2階にあがって個室に入る前の勾配天井の広いスペースをワークスペース(洗濯機能)としています。

窓の外の景色も楽しめるゆったりとした空間。

そんな場所で家事ができると、ちょっと苦手な家事も楽しめると思うのです。 実際奥様が家事をするのが楽しくなった、と言われていました。

「家事室」というと、家事を頑張らなければいけない部屋をイメージしますが、居心地の良いリビングダイニングなどと分けた「家事を楽しむ場所」と思って作ると、もうひとつの居心地の良い、生活の質を上げる空間が生まれます。

「家事室」のスタイルも自分たちの暮らし次第。ライフスタイルの変化に合わせて変えてもOK!もっと自由に家事室を考えてみましょう。

まずは家族にとっての楽しい「家事室」を作ってみませんか?

このレシピで紹介している住まい

https://miyudesign.com/2125

変化に対応できるオープン収納のキッチン

部屋干しにもリラックス時間にも使えるフリースペース

洗濯部屋干しのインナーテラス

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