すごく使いやすそうに見えた「大きなアイランドキッチン」。しかし、料理好きな夫婦がふたりで料理をしようとすると「作業スペースがない」「お互いの作業が干渉する」ために、ストレスを感じるキッチンだったようです。
元のキッチンは奥行が深く、手の届かない「使えない場所」がありました。奥行を撲滅したキッチンにしたい！という要望に答えて、コンロ、シンク、収納の機能を持つ３つの島のあるキッチンを作りました。夫婦がそれぞれ料理をしていてもぶつかり合うことはなくなり、お互いがストレスなく、料理を楽しめるキッチンになりました。
キッチンに加え、洗面所も無駄なスペースをなくし、簡単に片付けができる収納を製作しています。
「ふたりのフォーメーションキッチン」の設計の特徴
１．シンクのみアイランドキッチン
食器の片付けやすさを考えてシンクの側面に食洗機を設けています。シンクで仮洗いしたものはシンク横から取り出して食洗機に入れられるように工夫しました。食洗機の隣のコップ置場もとても便利です。
シンク下はオープンでゴミ箱を収納し、上部にはザルやワイングラスを引っかけられる吊棚を設けました。
２．壁向きのコンロ側キッチン
シンクの横に食洗機を設けることが多いのですが、シンクの側面に食洗機を設けています。
壁に引掛けたり、OPEN棚を使ったりした収納をご希望でしたので、コンロ側は壁を向いて作業をできるようにしました。使う場所の近くにすぐ置ける、すぐ引掛けられるというように、片付け動作を極力減らすデザインにしています。
３．片付けやすいキッチン壁面収納
コンロ、シンクという機能のあるふたつの島の収納機能を補うのがキッチン壁面収納です。
家電を並べておくことができ、OPEN部分には引掛けて収納できるハンガーパイプを。食洗機をあけてすぐの場所に背面収納の引出しがあるので食器類の片付け負担が減ります。
洗面所内にOPEN棚などを設置
洗面所内に既製品の収納を置かれていたのですが、楽に出し入れがしやすいように既製品のかごがジャストフィットで納まるOPEN棚を設置しました。
その他衣類乾燥機用の固定棚を設置し、洗面所用のOPEN棚ワゴンを設置しました。コストを抑えた素材で、収納のしやすさを重視しました。
お客さまの声
ふたりで調理するスペースやちょっとモノを置いておくスペースがふんだんに出来て、調理をしながらイライラすることがほとんどなくなりました。食事の時間は準備段階から始まっていると思うので、その時間を機嫌よく過ごすことができてとても豊かな気持ちになります。
お気に入りの部分は動線です。食材を出す、切る、洗う、煮る、盛り付ける、食卓に出す、食事が終わって食器をシンクに運ぶ、食洗器から棚に仕舞う。すべてが無駄なくできるところが気に入っています。
ハウスメーカーとの家づくりでは、効率優先でいつも決断をせかされていましたが、みゆう設計室では建築士の中川さんと二人三脚、迷ったら立ち止まってもう一度考え直して、と、じっくりと家づくりに取り組むことが出来ました。
私が仕事を持っているのでそれほど頻繁に打ち合わせができなかったのですが、ピンタレストなどのアプリも駆使して、アイテムのひとつひとつまでああでもない、こうでもないとアイデアを交換しながら決めていけるのがとても楽しかったです。
設計概要
| 所在地 | 兵庫県西宮市 |
| 工事種別 | 木造住宅 ２階建 リノベーション |
| 工事範囲 | キッチン、洗面所 |
| 設計・監理期間 | 2018.10～2019.2 |
| 施工 | 株式会社 匠建築工房 |
| オーダーキッチン | 株式会社KOBE STYLE |
| 造作家具 | 栗原木工株式会社 |
| 写真撮影 | アサンテ・フォト |
食洗器の取付位置が一般のキッチンとは異なりますが、オーダーキッチンでできることを最大限活用して機能的で魅力的なキッチンになりましたね！ホームパーティがしやすくなったそうです。コロナ禍で在宅勤務が増えてからも家で過ごすのが快適だったと伺いました。
