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ハウスメーカーで新築予定のO様邸の無料間取り相談実例をご紹介します。
O様邸は賃貸併用住宅を計画中。
今回の記事では動線と居心地の良いゾーンを確認し「どこでどのように過ごすか」という点を確認した作業について紹介します。
※3回にわたって相談記事をご紹介します!今回が2記事目です。
ここまでの流れ
1) 間取りの悩みを解きほぐす過程「居心地の良い間取り図を判断」
家事動線と居心地の良いゾーンを再確認
まずは家事動線を平面的に把握してみましょう。
家事動線の良い家にしたい、というご要望をよく聞くのですが、では家事動線とは何なのでしょうか。
掃除は家全体ですると思いますので「料理=キッチン、キッチン収納」「洗濯=洗濯室(洗面所)、物干しスペース、衣類収納」の動線がメインになります。
つまり主な家事動線は赤の矢印で記述した、洗面~廊下~LDK~バルコニー。
さらに各室に入る入り口までが生活の主動線になります。
家事動線を避けたゾーンは居心地の良いゾーン
この主動線のライン上は人が通る場所なので、家具があると動線のじゃまになりますし、ソファや椅子などを置いても居心地が悪くなります。
また、廊下から入って真正面のラインも人から見られる位置にあるのであまり居心地が良くありません。
(これはベッドの配置などにも役立つポイントなので要チェックですよ!)
緑のラインで居心地の良いゾーンを描きました。
この居心地の良いゾーンを意識して間取りを作ると、ほっとする家にしやすくなります。
いえづくりレシピをプレゼント!
まずは暮らし方に合わせて間取り診断をお渡ししました。
それでは、まずO様の家づくりへの要望を振り返ってみましょう。
- 幹線道路に面した西側に主寝室は避けたい(東側に主寝室にしたいが狭い)
- 洗面所を引戸にしたい
- 片付けが苦手なので使いやすい収納にしたい
- リビングでごろごろしたい(こたつや足をのばせるソファを希望)
それらのご要望に対して、元の間取りを診断します。
間取りに対するみゆう設計室の診断(BEFORE)
LDKの家具の配置が難しいですね。(ソファとキッチンカウンターチェア、カウンターの距離が狭すぎる。実質30センチも無い。)
テレビとソファの間にこたつを置くスペースは無いです。
洋室の使い方やLDKの配置を考えた方が良いと思います。
収納が苦手だと、折れ戸のクローゼットは向かないかもしれません。
アクション(動作)を減らした収納にした方が良いでしょう。
廊下周辺にドアが多すぎて動作が多い印象です。
玄関ホールと廊下との間にドアはなくても良いかもしれません。
扉の開け閉めによる作業動作を減らすために、洗面所と廊下収納は引き戸、引違戸の方が良いでしょう。
東の部屋を主寝室にする改善案(AFTER)
そこで、まずは東に主寝室を設けることが可能であるという「改善案」をお送りしました。
- 玄関ホールと廊下を分けなければ、東南の部屋を主寝室とすることは可能
- 居心地の良いゾーンにリラックススペースを作りやすい
- 西日の入る西洋室(洋室1)が暑い
- 西洋室(洋室1)をリビングとして使用してもソファの位置は要検討
間取りに対するこだわりの優先順位を考える
まず、このアドバイスをしたのは要望に答えたからなのですが、O様はどこかしっくりきません。
この間取りは「西側を主寝室にしたくない」という「要望をかたちにしたもの」かつ「その中で最大限居心地の良いもの」なのです。しかし、要望通りって意外と「ベストな間取り」にならない悲しい現実です。
要望通りなのにしっくりこない。
これ、リフォーム提案の時によくあるのですが、結構落ち込みます。
まず、東側を主寝室にすることは不可能ではありません。
埃や排気ガスが気になる西側の部屋が主寝室になるのか、LDKの一部になるのか。
どちらが居心地が良いのか、どちらが快適なのか、一度考えてみてくださいね。
LDKを反転させると西部屋をリビングと一体にするのが可能なのはわかりました。
でも、リビングの中央にキッチンの壁ができるよりは東南の部屋をリビングに出来る今の間取りの方がいいと思います。
隣の1LDKとの界壁はまだ変更出来るので今の間取りにこだわらず、違ったアイデアがほしい。この間取りを基準にしてアドバイスをしていただいてるのは、この間取りが良いと考えるからですか?3LDKと賃貸部分と合わせて、本当にこれがベストな間取りか分からないのです。
O様の要望に合わせるとこのような改善案が出てくると思います。
この間取りが良いか否かというよりは、今ある条件の中で不満な点を解決しようとするとこのような考えになりますね。界壁を変えても良いという条件は最初になかったので、それも踏まえて何がベストか一度考えてみましょう。
ここでもう一度確認すべきポイントをまとめます。
- どの空間でどのように過ごしたいのか。
- 間取りにこだわる部分の優先順位は何なのか。
- 不満な点と、良いと思う点は何なのか。
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間取り診断をした後に追加のご質問
「賃貸住宅との間の界壁位置を変えても良い」ということでしたので、それもふまえてベストな案を考えてみましょう。
その前に追加のご質問を3つ。
最初の質問で大事なポイントが抜けていましたからね。
それは「今悩んでいるこの間取りの好きな部分」についてです。
そしてこの間取りに対してどのように部屋を使いたいかという考えをもう一度確認してみます。
- 元の間取りの好きなところ、気に入っているところ
- 元の間取りでこんな生活がしたい、というイメージが叶っていると感じるところ
- 北側のお部屋をどのように使いたいと思っているか
さらに間取りを作成する前に、間取り診断についてO様が気づいたことを教えて頂きました。
間取り診断に対しての感想
【畳数ではLDKが狭いと感じていなかった】
同じくらいの畳数のリビングを以前に確認していたが、それほど狭く感じなかった。
リビングに近い洋室をリビングとして使えるようにしたほうがよいと思った。
面積的は狭くは無かったのかもしれませんが、ただ、家具配置ができない間取りでしたね。これを把握していただけたようです。
【玄関ホールと廊下との間にドア】
玄関ホールと廊下との間のドアは引き戸になる予定ですが、それでも必要ないでしょうか?
寒さよけになるかなと思いました。
寒さを避けるため、であれば必要ですね!ただ扉が多すぎるのは気になりました。
これは後に洗面所を引戸にすることで解決し、玄関と廊下のドアはなくす方向性となりました。
【キッチンは元の案の方が空間が広く感じる気がする】
アイランドキッチンならいいと思うがリビングに壁の圧迫感ができないか?キッチンは壁に沿わせるほうが空間が広く感じる気がする。
アイランドキッチンOKでしたら良かったのですけどね。
確かにこれは元案のキッチンの方がリビングに入った瞬間広い空間を感じると思います。
【良い間取りになっていますか?】
以前間取り相談の記事を拝見した時に、その間取りは素敵な間取りと言われていました。この改善案は面積と希望を生かした良い間取りになっていますか?
これ、とても大事ですね。私は良い間取りだと思っていましたが、O様が良いと思わないと良い間取りではありません。
「居心地を考えた間取り」と「動きやすい間取り」について面積ではなく、適切なスペースを確保するということを間取りから伝えること。限られた全体の面積の中で、各室の使い方と広さを満足した間取りができるか。
そして「良い」と感じている部分を引き立てられる間取りなのか。
間取り相談の中で一番難しい点でもあります。
次の記事では、元の間取りの好きな点をO様から伺い、それを踏まえてご提案したみゆう設計室の間取りをご紹介します。