居心地の良い「間取り図」を判断する3つのポイント!間取り相談実例②-1

居心地の良い「間取り図」を判断する3つのポイント

無料間取り相談の相談実例をご紹介します。今回ご依頼があったのは賃貸併用住宅をハウスメーカーで新築予定のO様。メールにてご相談依頼を頂きました。

今回の記事ではまず現在の間取り診断をして、O様がどのような家に住みたいのか、間取りの悩みをどう解きほぐす過程についてご紹介します。

※3回にわたって相談記事をご紹介します!今回が1記事目です。

間取りの悩みにどう答えるか

みゆう設計室の通常の設計では、面談にて「どう家づくりをしたいか」という思いを解きほぐすところから始めています。

同じように間取り相談の場合も「なぜ悩んでいるか」「なぜモヤモヤしているか」を解きほぐすところから始めていきます。今回のご相談はメールでやりとりしていましたので、下記の質問項目を送りました。

そして、「できる限りたくさんお答えください」とお願いしました。

質問項目
  • ハウスメーカーさんが提案した間取りをお送りください
  • なぜその間取りに悩んでいますか?
  • 家族構成を教えてください
  • 新築するにあたっての要望(広さ、間取りに加え暮らしのイメージをできるだけ多くご用意ください)
  • 今住んでいる家の不満点を教えてください
  • 今住んでいる家の好きなところを教えてください
  • 敷地条件、周辺環境について教えてください
  • 新しい家でこんな過ごし方がしたい、というイメージを教えてください

新しい家のイメージとご要望

その後、それぞれの質問に対してたくさんの回答が返ってきました。
その中で「新しい家のイメージ」で印象に残ったものをまとめてみました。

  • 片付けが苦手なので使いやすい収納にしたい、ものはあまり持たない
  • きちんと片付けをして快適に暮らしたい
  • リビングでごろごろしたい
  • 良い家に住んで運気を上げたい!
  • 友達をよびたい
  • 夫婦二人暮らしなので、子供ができても対応できる間取りに

間取り相談が必要だった理由

なぜ間取り迷子になったのか?


「ハウスメーカーの提案してくれた間取りは、西側の部屋が寝室。でも西側は交通量が多い国道なので埃や排気ガスが気になるのであまり寝室にしたくないのですが、ハウスメーカーは今の間取りの方が良いというので寝室はどの部屋にするべきかわからなくなった」というのがO様の家づくりの悩みでした。

それではまずハウスメーカーさんが作られた間取りを見てみましょう。

間取り診断!間取りに悩む理由を解きほぐします

間取り相談改善前

南側に広く過ごす場所があって、間取りもコンパクトにまとまっていますし、快適な暮らしができそうな間取りではあります。ただO様の望む暮らしにフィットしていない部分が数点ありました。

幹線道路に面した西側に主寝室は避けたい

まずは一番最初にモヤモヤしていた悩み、西側主寝室についてです。浴室を広めにとることを優先しているので、東側の二部屋が広く取れないのだそうです。

これは西側に部屋をずらすことで可能だと思うのですが、それだけでは解決しないものもありそうですね。

ドアの開け閉めが多く、動作が多い間取り

ドアの開け閉めが多く必要な間取り

あとO様が気にしていたのは洗面所の扉でした。本当は引き戸にしたかったけれども浴室を広くしたかったので引き戸が入らないプランになってしまったと。

引き戸にすべきかどうか、というご質問でした。

この間取りで廊下を見ると、玄関、廊下収納、トイレ、洗面が廊下に向けて開いています。移動するたびに扉をあける動作が必要になりますね。

洗面は引き戸になった方が良さそうですが、それ以上に玄関前の扉と廊下収納が気になりました。

奥行きが浅いこと、収納の前に立った時にうしろが狭いことから下記のどちらかの対応が必要だなと感じました。

  • 廊下収納の扉を引き違い扉にする
  • 玄関から廊下に出るドアをなくす

暮らしに合わせた広さ、間取りなのかどうか

悩みを伺っていく中で、3つある洋室をどう使いたいのか、O様もまだ定まっていない印象がありました。それともうひとつ気になっていたのがリビングの過ごし方。

「リビングでごろごろしたい。」

これについてさらに詳しく確認したところ、冬場はこたつを置きたいという希望も出てきました。そうなるとこの間取りでは難しいのです。

LDKは14.8帖。面積を見れば十分な広さと思うかもしれないですし、扉をあけていれば「洋室2」をリビングとして使えるので問題ない。

そう思いがちなのですが「とりあえず面積を満たす空間をつくる」だけでは居心地の良い空間は作れないのです。

居心地良いゾーンと悪いゾーンを把握する

居心地良いゾーンと悪いゾーンを把握する

それでは、まず居心地の良いゾーンと悪いゾーンについて考えてみましょう。

居心地の悪い場所とはどのような場所?
  • 動線(日常に人が通る場所)上
  • 玄関や廊下から入って正面の場所

この間取りを見ると「ソファとテレビ台」をLDKにとりあえず図面化するために配置した感が否めません。それはソファの後ろは主動線であるのにも関わらず、30センチほどのスペースしか確保していなかったからです。

動線を確保するためにソファをテレビ台に近づけるとバルコニーに出にくくなり、リビングでごろごろする、というスペースは確保できません。また、玄関から入って真正面の位置に「ソファ+テレビ台」のリラックススペースがあるので、なんとなく居心地が悪い印象があります。

暮らしに合わせた家具配置が可能なのか

暮らしに合わせた家具配置が可能なのか

それでは、LDKに隣り合う「洋室2」をリビングと一体として使う場合、どのような家具配置が可能か考えてみます。

元の案のソファとテレビ台をそのまま右(東側)に移動させる。それが一番バランスが取れる家具配置になりますが、玄関入って真正面にソファがあるので、座っていて居心地が悪く感じる可能性があります。

さらに間仕切りの役割となる扉がソファの真ん前になってしまうので、この配置にする限り「扉を閉めて洋室2を使う」という選択肢がなくなります。

家具配置で収納が使いにくい

家具配置で収納が使いにくい

そう考えると、扉を閉めても部屋として成立させるためには、洋室2にソファもテレビ台も配置する必要があります。南のバルコニーに向いてソファを配置すると、ソファ後ろのクローゼット扉があけにくくなります。収納が苦手と言われているO様には向いていない配置です。

居心地の良い「間取り」かどうか確認する3つのポイント

これらから、LDKと隣り合う洋室(この場合「洋室2」)は、基本的にリビングとして使う前提で間取りを作った方が良いことが分かります。

居心地の良い家を作る「間取り図」を見るチェックポイント
  1. 家具配置が無理なくできる間取りなのか
  2. 居心地の良い場所で過ごせる家具配置か
  3. 家具配置で収納のじゃまをしないか

分譲住宅や分譲マンションの間取りが掲載されているチラシでも家具が配置できない家が見られます。ベッドが配置できるか、ソファとテレビの距離が確保できるか、ぜひチェックしてみてください!!

それでは、次の記事でこの間取りを改善したひとつの案について紹介します。

【O様邸の間取り相談、次の記事】

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