HANSHIN女性応援プロジェクト「Cheerfull*Cafe(チアフルカフェ)」で掲載していた住まいコラムを集めました!
「引越しを予定しているのですが、家具等を全て新しく購入するので、家具・カーテンなどの色合いをどうすべきかとても気になります。」
というお悩みを伺いました。
床やドアと、家具の色合いの選び方が分からない、という悩みはよく伺います。
そこで、今回は
1)新築・リフォームをする場合の「床・ドア色」の選び方
2)引っ越すときに新たに購入する「家具色」の選び方
という二つの視点で、インテリアの色を決める方法について紹介します。
木の色・種類は全く同じにする必要はない
家具や床、ドアなどは木、または木目調のものが多いと思います。
「木の家具が良い」といっても、節が見える木目なのか、細かい柾目(まっすぐに平行な木目)なのか、木の自然の色なのか、着色塗装したものなのか。木そのものを使ったものだけでなく、木に似せた化粧板で木目を見せるものもあります。
木の色、木目に限定して言うと、室内の木の色を全て同じにする必要はありません。むしろ、全て同じにしてしまうと単調になりすぎて、圧迫感が生まれることもあります。
「木の家という感じがしてすごく良いです」と言われる家は、白い壁があることで木の部分を引き立てています。同じ樹種、同じ色にこだわらず、好きな色を引き立てるバランスにすると良いですね。
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色の濃さを合わせるより、色味を合わせると良い
インテリアの色に統一感を持たせたいときは「色味」を合わせるのが一番簡単な方法です。
これは木の色でも同じことが言えます。樹種や木目、色の濃さが違っていても、黄色味のある木なのか、赤味がかった色の木なのか。
これを意識するだけでインテリアに統一感が出ます。
みゆう設計室の事務所で使用しているデスク収納は、ショールーム的な役割で、様々な木を使ってデザインしました。比較的黄色味をおさえた木を集めているので、色や木目が違っていてもインテリアになじんでいます。
インテリア小物などの場合も「色を多く使ってはいけない」のではなく、複数の色を使ったとしても、共通性のある色であれば統一感のあるインテリアになります。
あなたの暮らしに合う色を知る
家具の好みや、好みのインテリアはあるのだけど、新しく暮らす家にどのような色の家具やカーテンを使えば良いのかよく分からない・・・というときは、まず、今の家の中を客観的に見てみましょう。
一番簡単なのは、今の家の「部屋全体の写真を撮る」ことです。
家の全体像を見ることで、自分の暮らしに合う色が見えてきます。過去に「グリーンをインテリアカラーに取り入れたい」と言われたお客さまがいたのですが、手持ちの家具や家電、インテリア小物に赤系の色が多く見られました。赤系の色見本を数日間置いて暮らしてもらうと「赤系の色の方が自分の暮らしに合う」と気づいたそうです。
もちろん好みを優先しても良いのですが、写真を通して室内を客観的に見ると「自分の暮らしに合う色」が見えてきます。これは家具の木の色合いにも同じことが言えます。
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新築やリフォームでドアや床の色を選ぶ方法
新築やリフォームでドアや床の色を選ぶのを悩む時は、お気に入りの家具(例えばダイニングテーブルセット)があれば、その家具の「色味」を基準にします。
そのため、設計に入る時は必ず「新しい家で使いたい家具を教えてください」と聞きます。これはお手持ちの家具でも、新しく買う家具でもOKです。
濃い色は重厚感のある上品な雰囲気に、明るい色は軽やかな雰囲気になるので、広さと雰囲気に合わせてドアや床の色を決めましょう。
床とドアは同じ色にしなければいけない、と思われている方もいますが、違っていても大丈夫。特に床を濃い目の色にした場合は、ドアも同じ色にすると圧迫感を感じることもあります。
具体的な例として「ナチュラルモダンな家」では床、ドア、家具に異なった色の木を使いました。
濃茶のモダンなインテリアがお好みでしたが、子育て家庭にもフィットしやすい内装にするために、床は濃い色にせず赤味のあるブラックチェリーに。お手持ちの濃茶のテーブルの「色味」をベースにしています。
キッチン背面収納、リビング収納、ファミリーデスクなどの造作家具は低い位置は濃い色、高い位置は白に近い色に塗装色を変えています。ドアも白い木目のものを選びました。全て好みの濃茶の家具にせず、高い位置に白い色をいれたことで壁面の収納力を活かしながらも、軽やかな印象のインテリアになりました。
好みに間違いはないので、好きを楽しむインテリアを!
インテリアのルールが気になってうまく家具が選べないときは、思い込みをなくして「この家具が大好き!」という家具をひとつ選んでみると良いと思います。
好みに正解はありません。なので、好きな家具を基準としてインテリアを楽しんでみましょう。
また「新しい家に引越するまですべて家具を揃えないといけない」と思う方も多いようですが、生活してみてから欲しい家具が見えてくることもあります。「とりあえず」家具を買うよりも、自分の暮らしが定まって、気に入った家具が見つかるまで手持ちの家具で代用しても良いと思います。
生活してから造り付けの収納を作るのでも良いのです。
まずは気持ちをフラットに。焦らず、自分にとっての好き、を楽しむインテリアをつくってみてくださいね。どんな家具を使ったらよいか、困ったときにはみゆう設計室にご相談ください。
2020.02.03
HANSHIN女性応援WEB Cheer*full Cafe(チアフルカフェ)2020年2月掲載