新築住宅のコストダウンのために延床面積を減らす方法

新築住宅のコストダウンのために延床面積を減らす方法

家づくりをしていると、これもしたい、あれもしたい・・・と要望が増えて、面積もコストも上がっていく。よくある光景ですね。

大きな買い物でもあるので、全て諦めてしまうよりは少し予算よりオーバーしても良いと思う人は多いですが、予算を大きく超えてしまうとコストダウンをはかる必要がでてきます。

今回は新築住宅を建てるときのコストダウンの方法と、コストダウンのために延床面積を減らす方法について紹介します。

新築住宅を建てる時のコストダウンの方法

リビングダイニングの高窓に花を飾る

「家を建てる予算が大きくオーバーしてしまった・・・」という時に、まずはどのようなコストダウンの方法があるでしょうか。

  • 床面積を減らす
  • 建物の凹凸を減らす(壁面積を減らす)
  • 窓やドアの数を減らす
  • 設備機器のグレードを下げる、数を減らす
  • 建材・仕上げのグレードを下げる
  • 既製品はできるだけ標準サイズにする

私が設計する場合は、コストを抑えるための項目を可能な限り上げていき、建築主にとって家づくりの重要な点を残すために削ぎ落す部分を探していきます。

ハウスメーカー等で設計している場合は床面積が大きく影響するので、コストダウンのために〇坪減らすためにはどうしたらいいのか・・・というお悩みは多いようです。

要望を詰め込むと床面積がオーバーする

延床面積と家づくりコスト

以前プロの設計者向けの「間取りセミナー」を行ったのですが、このセミナーの交流会に参加された設計者さんたちが「要望通りに家を設計すると希望の床面積よりオーバーしてしまう」と言われていました。これは設計者側の悩みでもあります。

要望を詰め込んだら予算オーバーする、というのはデフォルトだと思った方が良いかもしれませんね。

「面積厳守の間取り」と「要望通りで面積オーバーした間取り」が両方あると比較できるのですが、これも設計者次第。

みゆう設計室の場合は基本は面積厳守でご提案します。ただ、間取り相談などでは部屋の面積に重きを置いている人も多いです。その場合は要望を満たすために延床面積をオーバーしても良いのか、それとも重要度や家具配置を満たせば部屋をコンパクトにしても良いのか事前に確認します。

床面積を減らす方法

それでは、コストダウンのために床面積を減らす方法について考えてみましょう。

廊下や室内の動線を減らす

来客時などはシューズクローゼットから室内に入り、手を洗って2階の個室へも行けます

まず、床面積を減らすために、廊下や部屋内の移動経路など無駄な動線が無いかどうか確認します。廊下の面積を減らすというのは比較的分かりやすいかと思うのですが、部屋内の移動経路を減らすというのも大事なポイントです。

LDKなどが面積の数字上では広く見える事がありますが、通路部分までカウントした広さであることもよくあります。部屋内で移動するスペースを減らして、過ごす場所はしっかり確保することで面積が減ることもあります。

部屋の要望を面積で設定しない

みゆう設計室ではそれぞれの部屋のご要望を伺う時、面積(〇帖)で質問しないようにしています。

例えば、子ども部屋としては6帖程度にするのが一般的ですが、子ども部屋でどのような家具を配置できるようにしたいか、どれくらいの衣類や本などを収納したいかによって必要な面積は変わります。全体の面積から考えて、子ども部屋を少し狭くすることもありますし、過ごし方を優先して一般的な6帖よりも広くすることもあります。

ハウスメーカーなどで間取りを作ってもらう時は「子ども部屋〇帖」と示さなければならないかもしれません。その時は要望として広さを書いたとしても、自分たちとしてはどのように使う部屋として要望しているのか明確にしておくと面積調整がしやすくなります。

部屋の使い方をベースに間取りを考える

リビング横の子ども部屋

どのような部屋の使い方をしたいのか考えるヒントとしては

  • リビングではソファを置いて家族で映画鑑賞やスポーツ観戦をしたい。
  • 子ども部屋にはベッドとデスク、本棚が置けるようにしたい。
  • 主寝室はシングルベッドを2台並べて配置

というように、個室やLDKではどのように過ごしたいのか、何の家具を置いて、何人が過ごすのか、みゆう設計室ではヒアリングします。いつもいる家族の人数だけではなく、親戚や友達が来ることが多いのであればその人数で想定。

お気に入りのソファ、6人用のダイニングテーブルなど、家具配置ベースに考えると過ごすスペースが分かりやすいかと思います。そこで、家具配置を見て余裕があるなと思うスペースをそぎ落とすと良いでしょう。

優先順位を考える

最後に自分たちにとってどの部屋の面積を減らしても良いのか優先順位を考えましょう。どうしても譲れない部屋を狭くする必要はありません。LDKではなく余白の部屋や個室面積を小さくするケースが多いです。

収納はあまり減らさないほうが良いのですが、元々の設定で必要以上に収納スペースを確保しているケースもあります。所有しているものに対して収納スペースが適しているかどうかのチェックも必要ですね。

実はこの優先順位を考えるのが難しいのです。ヒアリングを重ねると自分たちにとっての優先順位が分かるようになります。

いえづくりのヒアリング いえづくりのヒアリング方法

まとめ:自分たちの暮らしに合わせたサイズの家を考える

まとめ
  • 要望を詰め込めば新築住宅を建てる予算がオーバーする傾向がある
  • 部屋の要望は面積ではなく家具配置や過ごし方で考える
  • 無駄な廊下や無駄な動線を減らす
  • どの部屋は面積を減らしても問題ないか、優先順位を考える
みゆう建築士
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家づくりは何度もできるものでもないので、やはり納得のいく家にしたいですよね!少しコストアップしても、お気に入りで暮らしやすい家にしたいという人もたくさんいます。他社で設計中で、間取りでお悩みの方は「みゆう間取り相談室」もご利用くださいね!

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