女性建築士がアドバイス!後悔しない住宅購入、家づくりをする方法とは

わたしサイズの住まいと暮らしづくり~チアフルカフェ

HANSHIN女性応援プロジェクト「Cheerfull*Cafe(チアフルカフェ)」で掲載していた住まいコラムを集めました!

住宅を購入しよう、家を建てようと思った時、何から考え始めますか?
一番はやはり資金計画でしょうか。

資金の目途がたつと土地や物件を探し始めると思いますが、「ライフスタイルに合う家」を知っていると後悔しない住宅購入、家づくりができます。

今月の住まいづくりコラムは、あなたにとっての「ライフスタイルに合う家」を知る方法について紹介します。

家を購入する目的を明確にする

家を購入する目的を明確にする

まずは家を購入する目的を再確認しましょう。

「子どもが生まれて家が手狭になった」
「通勤しやすいところで住みたい」
「親の家の近くに住みたい(介護のため、育児サポートを受けるため)」
「住宅ローンを組むのに良い時期だから」など。

例えば「子どもが生まれて家が手狭になった」という理由であれば、子どもと過ごすスペース、子どものものを収納するスペースが無い家を選ぶべきではありません。

「通勤しやすいところ」を対象に予算内で家を選ぶと、都市部では家が狭くなることもありますが、逆に家が狭くても家族のライフスタイルに合えば快適に過ごせます。

指定エリアで家や土地を探すと条件に合う物件が見つかるまで数年かかることもあるので、エリアを問わずにライフスタイルに合う環境・土地を選ぶと選択肢が広がりますよ。

次に、家を購入する目的に合う、自分たち家族にとっての「ライフスタイル」について考えてみましょう。

リビングダイニングは広さ以上に収納スペースを重視!

リビングダイニングは広さ以上に収納スペースを重視!

機能的で心地良いリビングダイニングをつくると、住まいの満足度が上がります。
リビングダイニングというとダイニングテーブルがあって、テレビとソファがある、というイメージを持たれますが、子育て家庭ではそれ以外にもたくさんの機能を必要とする空間です。

赤ちゃんはリビング近くで過ごしてお昼寝する。
幼児はリビングでおもちゃ遊びをする。
小学生はダイニングテーブルで宿題をする。
来客があればリビングダイニングでお茶やお菓子を頂く。
パソコン使用や書類の書き込みはダイニングでする。
持ち帰り仕事はダイニングでする。

というように、食事をしてリラックス時間を過ごす以外にも様々な使用用途があり、そのための「道具」や「物」を片付ける場所が必要です。

もちろん、最初からそれらの機能を個室に持たせることも可能ですが、結局リビングダイニングに集まってしまうことが多いと思います。
物が多く集まるとリラックス空間のはずなのにごちゃごちゃしますよね。

ごちゃごちゃした印象を避けるためにも、リビングダイニングは広さ以上に「必要なものが片付く収納スペース」が必要になります。

収納のために「窓」に気をつける

収納のために「窓」に気をつける

「リビングダイニングに収納が少ない」という悩みはとても多いです。
マンションや建売住宅では、置き家具を使う前提にしてリビングダイニングにクローゼットなどの収納を設けないのにも関わらず、置き家具が配置できない間取りも多く見られます。

家を購入するときは、まず自分たちがリビングダイニングでどう過ごすか考えます。
そしてリビングダイニングで使うものが全て収納できる家であれば心地よく暮らせると思います。

例えばダイニング空間では
・家族の人数と使い勝手に合うサイズのダイニングテーブル
・テーブルに合う広さの空間
・ダイニングテーブルですることに対して必要な物が片付けられる量の収納
を満たせばOK。

置き家具を設ける場合、気を付けるポイントは「窓」です。
掃き出し窓がある場合は家具が置けませんし、腰窓でも高さのある家具は置けません。
よくリビングダイニングの南面を全て掃き出し窓にしている間取りを見ますが、広さや明るさよりも、収納量を満たす家具を置ける方が心地良い空間を作れます。

窓の位置と収納量に合わせて造り付けの壁面収納を設けると、すっきりと機能的になるのでオススメです。

個室を有効利用する

個室を有効利用する

個室の条件を子どもの人数から考える家庭が多いですが、「将来子ども部屋にする」予定の個室は納戸として使われ、増えた納戸の「物」は子ども部屋を使用したいと思った時に処分困難だという家をたくさん見てきました。
個室として使わない期間に子ども部屋を有効利用できる家を選ぶことも大事です。

リビングダイニングで子どもと過ごすことが多く、いつも片付かなくて悩んでいるというインテリア相談に対して、個室にテレビとソファを置くことを提案したことがあります。

小さなお子さんのテレビを見る時間を減らしたいという意向があったからなのですが、個室にテレビとソファを移動したことでテレビを見る時間のメリハリができ、テレビルームにしたことで大人がリラックスできる空間を作れたそうです。

その分リビングダイニングに収納とワークデスクを設けられたので、家に居場所ができたと喜ばれました。

他には洗面所の隣に子ども部屋を設けて、個室として利用するまで日当たりも風通しも良い室内干し空間にしたケースもあります。
将来2室に分ける部屋であれば、広い部屋なので洗濯物を干している間お子さんが近くで遊んでいても大丈夫。

マンションや建売住宅を購入する際には、個室を子ども部屋以外に使えるかどうか、というイメージを持って見ると良いと思います。

自分たちらしい暮らしとは何か

自分たちらしい暮らしとは何か

家を建てる場合も、マンションや建売住宅、中古住宅を購入する場合も、選ぶポイントは「自分たちの家族の暮らしに適した家か」どうかを判断することだと思います。
おしゃれにしたいこだわりに関してはリフォームで対応できますが、間取りのベースは変えられないこともあります。

広さや部屋数だけではなく、収納と過ごし方に意識した「ライフスタイルに合う家」なのかどうかを見極めて、満足度の高い家づくり、住宅購入をしてくださいね。

「ライフスタイルに合う家」を建てたい、リノベーションしたいという方はみゆう設計室にご相談ください。

2019.08.01
HANSHIN女性応援WEB Cheer*full Cafe(チアフルカフェ)2019年8月掲載

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