HANSHIN女性応援プロジェクト「Cheerfull*Cafe(チアフルカフェ)」で掲載していた住まいコラムを集めました!
今日本では北欧インテリアが人気ですよね!シンプルで落ち着く空間にアクセントとなる色や柄、素材を取り入れるインテリア。私もとても好きです。
2021年7月10日から8月29日まで兵庫県立美術館にて「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展を開催しています。アルヴァ・アアルトはフィンランドの近代建築の巨匠。私が学生の頃からとても好きな建築家で、早速展覧会を見に行ってきました。
今回は展覧会で展示されている作品の中で、私がフィンランドで訪れたアアルト設計の住宅と特徴、日本のインテリアで参考にしたい要素について紹介します。
アルヴァ・アアルトがデザインした住宅の特徴
写真:マイレア邸
アアルトは公共建築や大学などたくさんの建築を手掛けていますが、私が最も好きなのは住宅です。アアルトと彼の最初の妻であるアイノは「日常の暮らしにこそデザインが必要である」という思想で、機能的で美しい住宅や家具を作りだしてきました。
アアルトが設計する個人邸宅は機能的な建物構成と、森や自然と一体化するような素材使い、細やかなデザインが特徴です。
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アアルト住宅の素材を活かしたインテリア
写真:アアルト自邸ダイニング
訪問して驚いたのはそこに日本的な空間を感じたことでした。
障子のような格子の扉、紙でできた照明、すだれを使った窓演出、布や繊維を使った壁。
機能的で現代的な住宅にアアルトが必要としたのは、素材の温かさによる心地よさ、自然が作り出す曲線でした。
日本の住宅要素も活かされている
写真:アアルト自邸リビングルーム
アアルト自邸ではアトリエとリビングとの間に間仕切りとして引き戸を使っています。もともとヨーロッパでは窓もドアも家具も引き戸はあまり使いませんが、襖で部屋を分けるという日本の空間スタイルを取り入れたそうです。
空間をフレキシブルに使うことを、日本の建物から学んでいるのですね。
写真:アアルト自邸ダイニング
アアルト住宅から北欧インテリアの魅力を学ぼう~アイノとアルヴァ二人のアアルト展家具でも引き戸を使っています。アアルト夫妻は最小限住宅や規格化住宅を作りだしていたので、この引き戸のキッチン収納も機能的でスペースを最小限にできる実験として製作したものだと思います。
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北欧のインテリアが日本の住宅にフィットする理由
写真:みゆう設計室設計「森を望む家」
北欧のインテリアが今日本でとても人気がありますが、日本の住宅にフィットする理由はアアルトが考えてきたような「自然の素材感や温もり」が日本の住宅やライフスタイルにフィットしているからだと思います。
北欧インテリアの家にしたい、というご要望には素材感を活かしながらシンプルな空間を作ることを心がけています。あとは家具やファブリック、観葉植物などをプラスすれば良いですね!
アイノとアアルトの世界観をぜひ!
兵庫県立美術館での展覧会、アアルトが大好きな私にはとても興味深いものでした。
特に今回はアアルトの妻、アイノのデザインにも注目しています。アイノは女性としての機能的な住宅の考えや、母としての子ども空間の考えを大事にしていたことが展覧会でよくわかります。
北欧インテリア好きな方は、ぜひ、アイノとアルヴァ、二人のアアルト展訪れてみてくださいね。展示室の入室人数制限もしているので安心して観覧できます。
兵庫県立美術館 特別展「アイノとアルヴァ 二人のアアルト展」
2021年7月10日[土]-8月29日[日]開催
2021.08.02
HANSHIN女性応援WEB Cheer*full Cafe(チアフルカフェ)2021年8月掲載