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一戸建て住宅を建て替える(新築する)とリフォーム、どっちが良いか悩んだ時。また新築マンションを購入するか中古マンションを購入してリフォームするか悩んだ時。「自分たちらしい家にしたい!」と中古住宅をリフォームする人が増えているので、どちらが良いか選べない方もいるでしょう。
新築とリフォームどちらがいいのかな?と悩む方のために、今までの事例を元にして費用や満足度など、それぞれのメリットデメリットについて紹介します。
新築とリフォーム、どちらが安い?費用の差はどれくらい?
リフォームは、建物の種類、築年数、水回りや外回りの改修をするか否かで工事にかかる費用が大きく変わります。
木造在来住宅の場合、屋根の改修、サッシの入れ替え、断熱・耐震改修、内部総入れ替えをすると新築住宅の総工事費より高いこともあります。
マンションリフォームや、屋根・外壁の改修を含めない戸建て住宅の場合は工事費用を抑えられますが「中古住宅を購入してリフォームする」となると購入物件の費用も必要ですので新築よりも安くなるとは限りません。
リフォームをして家づくりのコストを抑えよう、と思う場合は物件のセレクトが重要になります。
【参考】水回り(キッチン、お風呂、洗面、トイレ1か所)、内装(クロス、床)全て入れ替えで600万~1000万円程度。間取りを変えたり、収納を造り付けにすると価格は上がります。素材や設備のグレードによっては倍くらいになることも。
【参考】水回り(キッチン、お風呂、洗面、トイレ2か所)、内装(クロス、床)すべて、外壁・屋根の塗装、断熱改修、耐震改修全てを行うと1,500~2,000万円程度に。これも素材や設備のグレードによって費用は変わります。
※2024年現在、材料施工費高騰のためここで記載するものより1.2~2倍くらいの価格をイメージしておいた方が良いかと思います。(2024.5.18追記)
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新築より費用がかかるリフォームをなぜ選ぶのか
それではなぜ新築よりも費用がかかるリフォームを選ぶ人がいるのでしょうか?木造住宅でフルリフォームを選び、満足されている方たちの事例を紹介します。
1.木造在来住宅築45年 フルリフォーム
もともと住んでいた家をリフォームした事例。築45年の木造2階建住宅で、暑さ寒さで過ごしにくく、雨漏りなどの劣化も見られました。
この家をリフォームすると費用がかかることも想定済だったので新築も検討しましたが、古いものが好きで家に愛着のあるご家族だったので、最終的に耐震改修を含めたリフォームをすることに決めました。古い家の良さを活かすために、梁を一部表しにしました。
みゆうさんが改修前の家に初めて打合せに来られた時に「良い家ですね!」とお世辞なく言ってくれたこと、家の古い雰囲気、古い家具などが好きなことを理解してくれて、それを活かしたリフォームをしてくれたことに感動しました。工事前の家は片付けられなく、ただ生活をしているという感じでしたが今は収納の定位置もあります。風が通るようになり快適な家になりました。
- 古いものが好き(元の家は暮らしにくいけれど、古さが好きだった)
- 元の家に愛着がある
- ビニールクロスやシート張りの床などの建材が好きでは無かった
この家が本当に好きだったんですね。新築を選ばずリフォームにして良かったという好事例です。耐震改修助成金も受けました。屋根をしっかり断熱し、風が通る間取りにしたので家で過ごしやすくなったようです。
2.木造在来住宅築30年 フルリフォーム
築30年の木造2階建住宅を購入し、フルリフォームした事例。元の家の佇まいが美しく、それを気に入られて購入したという物件でした。
元の家のこだわりの部屋(和室)は大きく触らず内装の入替のみとし、水回りは生活しやすいように間取り変更をしています。築年数の関係で耐震改修助成対象の建物ではありませんが、屋根の軽量化、必要な耐力壁の追加をし、可能な範囲で断熱改修も行いました。
素材も構造強度も家事のしやすさも色んな点で安心できる家になりました。
新しい家は、どこに居ても毎日が楽しく過ごすことができます。床下に断熱材を入れてもらって杉の床材を使ったことで床が冷たくなくて快適で、床暖房を入れなくても十分心地良い家になりました。
- 元の家の良さを活かす
- 自然素材(無垢床、漆喰壁等)をできるだけ使用したかったので、新築だとコストが上がる可能性があった
はじめて室内に入ったときにとても心地よいと感じた物件でした。良いと思う部分を活かせるのがリフォームの良さだと思います。使いにくい水回りは全て入れ替え、暮らしに合わせた間取り変更をしました。家が好きだといってもらえることが嬉しいですね。
自然素材を使い、元の家の良さを活かすリフォーム
どちらの物件も自然素材をできるだけ使って元の家の良さを活かしています。
ただし、古い家を活かそうとすると、屋根や壁からの暑さ、床からの寒さ、古い木製窓・扉の隙間風などに悩まされることも。そのため古さを活かす部分を補う断熱改修も行っています。
どちらも耐震改修で屋根を軽量化していて、勾配天井や古い梁を活かすために屋根断熱にしているので、その点もコストはかかっています。
耐震改修や断熱工事は心地良く安全な暮らしのためには重要。そこにコストをかけることで心地よく安心できる住まいとなりました。
木造住宅の新築とリフォームを比較!
木造住宅の場合、新築住宅と、中古住宅のリフォームについてそれぞれのメリットデメリットを比較してみます。どちらにしたらよいか迷ったときに参考にしてください。
新築住宅のメリット(木造住宅の場合)
リフォームと比較した場合、新築住宅(木造一戸建て住宅)のメリットとは・・・
- 今現在の構造基準に合わせた耐力の家が作れる
- 家の部材全てが新品なので、劣化するまでの期間(耐用年数)が長い
- サッシや断熱材などの品質が良い
- 一から好きな間取りを作れる
- 全てを作るので費用がかかる
- ローコストにしようと思うと良い素材を選べない
構造基準に関しては旧耐震(1981年/昭和56年6月に新しい耐震基準に法改正されているので、それ以前に建てられた建物は旧耐震基準)の建物だと基礎の強度が現在の構造基準より劣るので、構造上今の耐震基準に満たす家にしておきたいという場合は新築のほうが安心できるでしょう。リフォームの際に基礎の補強改修も可能ですが大掛かりな工事になりますしコストはかかります。
リフォームのメリット(木造住宅の場合)
新築住宅と比較した場合、リフォーム(木造一戸建て住宅)のメリットとは・・・
- 今ある物を壊さず活かすことができる
- 元の家で手の込んだ良い素材が使われていることがある
- その家に対しての愛着を大切にできる
- 長年かけて味がでてきた風合いなどを活かせる
- 解体+新築と同額の費用をかけた場合と比較すると上質な家ができる
- 古屋がある場合、家ひとつを解体するとたくさんの「ゴミ」を出すので、すべてを解体しないリフォームのほうが環境負荷を減らせる
- 「この範囲は工事をしない」という選択肢がある(=コストを抑えられる)
- 構造強度を上げようと思うと耐震改修に費用がかかる
- 構造材や外壁などをそのまま利用した場合、新築と比べて耐用年数が短くなる
- 古い住宅は、しっかりとした構造材、手の込んだ素材や仕上げの家も多い(今同じようなものを入れると高額になる)
- 古屋がある場合、全て解体したほうが施工者は工事がしやすいので、一部解体のリフォームのほうが施工費や解体費が上がる
- 新築の住宅ローンより、リフォームローンのほうが金利が高く限度額が少ないことが多い(リフォームの場合は住宅ローン適応する場合もあり)
- 工事がスタートして解体後に工事範囲が増えることがある
リフォームの場合、解体工事を行ってから分かることもあります。例えば設備配管の劣化、基礎や木造躯体の状態不良、想定外の耐力壁や外せない柱、梁。
状態が悪かった場合にその補修に追加費用が発生する可能性があるので、リフォームの場合は予算よりも抑えた金額で工事内容を決めることをオススメします。
中古住宅を購入してリフォームをする場合は、外壁や屋根などの改修の必要があるかどうかで工事金額が大きく変わりますので、築年数と改修履歴、現在の建物の状態をしっかりチェックしておきましょう。住宅診断や耐震診断済の物件も近年は見られます。購入の際に検討材料にするとよいでしょう。
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マンションリフォームのメリットデメリット
マンションリフォームの場合、建物の外側(外壁、屋根、バルコニーなど)は共有部分となり自己負担で工事をする必要が無いので、木造住宅ほどのリフォーム価格にはならないことが多いです。
その分マンション管理組合への管理費や修繕積立金が別途必要になりますね。これは良いシステムで、私は木造一戸建て住宅も修繕積立をしていたほうが良いなと思っています。
それでは、新築マンションを購入した場合と、中古マンションのリフォームをした場合を比較したメリットデメリットについて紹介します。
マンションリフォームのメリット
新築マンションを購入する場合と比較したマンションリフォームのメリットをあげてみます。
- フルリフォームにすることで自分の暮らしやすい間取りに変えられる
- 壁や床の素材やキッチンなどの水回り設備を好きなものに変えられる
- 元の家や周辺住民の様子をしっかり見てから物件購入できる
- 新築マンションに比べ物件購入価格を抑えられ、物件価値も大きく下がらない
- リフォーム費用を抑えたい場合「この範囲は工事をしない」という選択肢がある
- 希望エリアで物件を探しやすい
リフォームにどれくらい費用をかけられるか、にもよりますが、マンションリフォームの一番のメリットは「自分の暮らしに合わせた住まいに変えられる」ということだと思います。間取りも設備も好きなように。もちろん決められた枠の中になりますが、マンションで暮らしたいけれど自分らしい暮らしがしたい、という人にはとても良いと思います。
一戸建て住宅のリフォームに比べても工事範囲が少ないので、リフォーム価格を抑えられます。築30年以上前のマンションだと廊下がゆったりしたり、一戸当たりの面積が広めの物件もよく見られます。広くてゆったりとした暮らしをしたい人にもマンションリフォームはおススメです。
マンションリフォームのデメリット
それでは次に新築マンションを購入する場合と比較したマンションリフォームのデメリットをあげてみます。
- マンションの管理規約で工事内容が制限されることがある
- 近隣(両隣、上下住戸)への工事配慮のため、工事ができる時間や搬入経路などの制限がある
- 解体後に設備不良や下地不良などがあり、工事金額があがることもある
- 古いマンションは断熱性能が低いことがあるので、断熱改修をしようと思うとコストがかかる(窓も基本的に入替不可なので二重サッシに)
- 引き渡し後に工事を行うのですぐに入居できない
一戸建て住宅と比べると、管理規約で制限されるのがマンションリフォームの難しい点です。間取りを変えたり床材を変えたりするのがNGのマンションもありますので、間取りを変えるリフォームを希望する場合は管理規約を事前確認しておきましょう。
また、新築マンションとの違いは物件引渡しの後にリフォーム工事を行うので、その物件を所有してから工事完了までの数か月入居できないのもデメリットです。
まとめ:新築とリフォームどちらにするか決められないときは?
新築とリフォームどちらが良いか悩んだら、ここまでにあげたメリットデメリットから自分たちに合うものを優先すると良いでしょう。
- コスト優先ならリフォームの方が安価なことが多いが物件次第。
- 上質な素材やこだわりの素材を使いたいときは、新築コストが上がるのでリフォームの方が取り入れやすい。
- 全て新しい設備、構造、建材のほうが良い場合は新築住宅。
- マンションリフォームは比較的コストも抑えて好みの住まいを作りやすい
- 一から間取りを作りたい場合は新築住宅(戸建)
しかし最初から新築にするかリフォームにするか決めてしまわず、良い物件との出会い次第、と考えるのも良いと思います。
おそらく新築にするか中古住宅を買うかという選択の前に「住みたい地域・場所」と「予算」があると思います。地域と予算の条件が合い、かつ自分たちの暮らしにフィットする物件と出会うこと。
その時に新築とリフォームどちらも候補にすると、条件の門戸が広くなるので良い物件と出会うチャンスも増えるでしょう。まずは自分たちはどのような暮らしをしたいか事前に考えておきましょう。しっかり考えておけば、良い物件と出会えた時に判断できるようになると思います。
みゆう設計室では自分たちがどんな家づくりをしたらよいか迷っている方にZoom家づくり相談も行っていますので、必要な方はご連絡くださいね!