片付けやすい家は収納量より収納の質を高く!片付ける物に合う収納を設けよう

わたしサイズの住まいと暮らしづくり~チアフルカフェ

HANSHIN女性応援プロジェクト「Cheerfull*Cafe(チアフルカフェ)」で掲載していた住まいコラムを集めました!

新しい生活が始まる人も多い春。新築やリフォームを検討している方、家具や収納を見直したいと思っている方もいることでしょう。新しい生活をすっきりとスムーズに進めるためにも片付けやすい家にしたいですよね。

収納の質を上げるための収納計画

住宅設計をしていると「収納の多い家にしたい!」というご要望は多いのですが、収納面積が多い家が必ずしも片付けやすい家になるとは限りません。今回は片付けやすい家を作り、収納の質を上げるための収納計画について紹介します。

物を使う場所、過ごす場所の近くに収納を設ける

物を使う場所、過ごす場所の近くに収納を設ける

家の中を見渡してみてください。あなたの家で「片付いていないもの」は何ですか?
さらに室内の写真を撮って写真を見ると、その「片付いていないもの」が客観的に見えてきます!

この「片付いていないもの」を収納する場所ができると、家がすっきり片付くようになります。

リビングダイニングに郵便物、充電器、リモコン、文具、お子さんのおもちゃ、雑誌や本、バッグなどが置きっぱなしになる家はよく見られます。それらを片付けたい場合は、置きっぱなしになってしまう場所の近くに収納を作るのがオススメです。

また、郵便物や新聞などを置く場合は、足元にゴミ箱を設置して読み終わったらすぐ処分できるようにしておくと、必要な物だけ保管できるようになります。

片付ける物のサイズに合う収納を設ける

片付ける物のサイズに合う収納を設ける

郵便物や書類、文具などを収納したい場所には40センチ前後の浅めの奥行きの収納が適しています。A4ファイルボックスが入るサイズというのが目安でしょうか。そのような場所に押入れのような80センチ程度の奥行きの収納を設けると、前後に物を重ねて収納してしまうので取り出しにくくなることもあります。

逆にお布団、スーツケースや季節家電など大き目の物を収納したい場合は奥行きのある収納の方が便利。

奥に収納したバッグや書類などを取り出しにくいという相談を受けて、リビングの奥行き深めのクローゼットをファミリーデスクに作り替える収納リフォームを行ったことがあります。とりあえず収納を作っておこう!というのではなく、片付ける物のサイズに合った収納を設けましょう。

引出し収納が良い?扉のある収納が良い?

扉のある収納

収納が苦手な人は見えない収納が良い!と扉付の収納を選びがち。扉付の収納は中に入っているものが見えないのですっきり片付いているように見えますが、とりあえず物を入れて隠してしまうために扉内はうまく片付けられていない人もいます。高い位置、低い位置にある扉付収納は出し入れしにくいので開かずの扉になることも。

引出し収納の場合は細かいものを収納するのに便利ですが、目線よりも下にしか設けられませんし、定位置を決めていなくて探し物をするのに何度も引出を開け閉めしている人もいると思います。

物の出し入れがしやすいのはオープン収納。一目で見られるので在庫管理もしやすいですが、扉などで隠せる収納でないと見た目がスッキリしないのがデメリットです。

自分の片付けの癖や性格によって収納の向き不向きはあります。収納の見た目の好みだけでなく、自分の片付け方に合わせた収納を選ぶ方が良いと思います。

収納の質が高ければ、無駄なストックも減少

収納の質が高ければ、無駄なストックも減少

収納に適した場所で、物に合ったサイズの収納を設けると、物を探す手間も省けてストック品の無駄買いも減ります。収納が不足しているからとりあえず収納をたくさん設けたい、という気持ちも分かるのですが、重要なのは収納の床面積の広さではなく、収納する物に合わせた質の高い収納を設けること。

とりあえず収納家具を買おう!家を建てるからとりあえず収納をたくさん作ろう!

と考えている方は、もう一度、今の家の「片付かないもの」「片付けやすくしたいもの」は何か見直してみてくださいね!

そして、片付けやすい家を作りたいけれど自分で考えるのは少し難しい、という方はぜひみゆう設計室にお声掛けください。

2023.04.03
HANSHIN女性応援WEB Cheer*full Cafe(チアフルカフェ)2023年4月掲載

一級建築士事務所みゆう設計室

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