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子育てしながら女性が働くのは大変。だからこそ、私は「子育てしている女性だからできる働き方」を模索し、誰かを真似るのではなく自分の経験を元にし、お客さまにしっかりと向き合って「悩める子育てファミリー」を助ける家をデザインしてきました。
みゆう設計室の集客はホームページからのお問合せが大半。
それは、私がお客さまの家族の暮らしに寄り添って家づくりをしてきたからであり、その家づくりに共感してくれた方が設計依頼をしてくれたからだと思っています。
ここでは、「クライアントに寄り添える設計者でいるために自分のペースで働く」という、母である女性建築士だからこそできた働き方について書きたいと思います。
建築業界で働く女性は設計者も現場関係者も増えてはいますが、男性中心の社会であることは変わりありません。独身の頃は男性と同じように働く努力をしてきましたが、女性が子育てしながら働くのは難しい世界だなと感じていました。だからこそみつけた、私の働き方です。
フリーランスママ建築士からのスタート
我が家は子どもが生まれた時点で身内も友達も近くにおらず、今では「ワンオペ育児」と言われるような子育てをしていました。
同じように建築の道に進んだ友人たちの中では比較的早くに子どもを授かったため、仕事で活躍していく友人たちを見ては、社会から取り残された気持ちになったものです。
しかし不思議なことにご縁があって「設計図を外注でCADで描いてほしい」という依頼を頂き、自宅で育児をしながら在宅ワークで図面を描く仕事を始めました。
在宅ワークでは保育園に入れない!?待機児童となることが独立開業に繋がる
仕事の実績もできたので、年子兄妹の妹が1歳になるタイミングで一時保育を使い始め、同時に保育園入園の申込をしました。
しかし保育園入園激戦区だったため待機児童に。
当時の神戸市内保育園の入園の条件で、居宅内の仕事はかなり順位が低かったのです。
実は、子育て中で育児のサポートも無い状態で建築士事務所を構える勇気が無かったのですが、少しでも入園の優先順位を上げるために建築士事務所を構え開業届を出しました。
待機児童となったことは辛いことでしたが、仕事で独り立ちする勇気を得た機会だったのです。
当時赤ちゃんだった子どもたちが寝ている間に仕事をしていました。昼寝をしてほしいために日中公園でたくさん遊ばせていたのですが、息子は特に体力がある子だったので、昼寝の寝かしつけで一緒に寝落ちすることも。
一級建築士へのステップアップ~子育て中だからできたチャレンジ
その後、季節外れで開園した保育園に二人同時に入園が決まり、電車で数駅離れていたので、自宅から保育園まで電車で通う(2往復する!)生活が始まりました。
保育園に入園が決まってから、大きなチャレンジをしました。
それは、独身の頃からなかなか受からなかった一級建築士の試験に本気で取り組むことでした。
子育てしながら勉強する(かつ仕事もする)のは確かに大変でしたが「何としても1年で合格したい」という気持ちが強かったので、資格学校に通いながら仕事と勉強と育児と家事と本気で頑張り、その1年で一級建築士の試験に合格しました。
実技試験のために通っていた学校は終了時間が遅く、週に一度はお迎えが保育園で最後になることも。保育園の先生方、資格学校の先生が配慮してくれ、何より子どもたちが応援してくれたおかげで一級建築士になれたと思っています。
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家事と育児と、住宅設計の仕事を両立させる
順調に子育てと仕事と両立をする流れができたように思えるかもしれませんが、実際は「子育てしているからできない!」と思うことばかりでした。
当時私が「子育てしているからできない」と思っていたことは・・・
- 夜出かけること
- 日曜日に外に出て仕事をすること
- 子どもの発熱時に外に出て仕事をすること
建築業界は土日の仕事も多く、夜に外出できないとセミナー参加や同業の方との交流も難しい。
何より子どもの急な発熱などで、ドタキャンをすることだけは避けたいと思っていたので、当時は、これでは仕事ができないのではないか?と悩みました。
でも、「子育てしているからできない!」を「できる」に変えるにはどうしたら良いのか。
それまでは同業の方たちと同じペースで働くことが普通だと思っていたのですが、自分と家族のペースで働くためにどうしたらよいのかたくさん考えました。
今はベビーシッターも病児保育など、子育てを支えてくれる施設や団体も増えましたが、当時はそこまで育児の環境が整っていなかったので、私はこのような働き方を選びました。
- 夜に出かけなければ行けない場に所属しない。
- 自分とお客さまの都合で仕事をする。
- 仕事のスケジュールを無理に詰め込まない。
試行錯誤しながらみつけた「子育てしているからできる働き方」
「子育てしているからできない」というマイナス要素は、逆に私の働き方の道筋になりました。
まずは、子育て中の家庭のペースに合わせた設計ができるようになりました。
打ち合わせを決めていた日に我が子の急な発熱でキャンセルすることはほとんどなかったのですが、逆にお客さんも同じような状況になることを考慮して、詰め込んだ打ち合わせを避け、メールでのやりとりを大事にしました。
また、直接設計契約している建築主のお客さまを最優先するために、土日に打合せに入ってほしいという工務店・不動産会社さんからの下請けの仕事の依頼はお断りしました。
幸いなことに「子育て中の建築士だからできないこと」が原因で仕事が無くなることはなく、むしろ「子育て中の建築士だから家のことを分かってもらえる」という依頼が増えたのだと思います。
仕事をたくさん抱えることはあまりありませんが、きちんと建築主に向き合う仕事をすれば喜んで頂けるのも分かっていたので、少しずつ自分の仕事の仕方に自信を持ち始めました。
まずはクライアントに満足してもらえる納得の行く仕事をする。ママ建築士だからできる提案と、ママだからこそ寄り添える安心感。そんな私らしい設計の仕方を望んで依頼してくれるお客さまがずっといてくれていることに、本当に感謝しています。
母としての自由度の高い働き方を活かして、満足度の高い家を設計する
子育てしながら働くペースを自分でみつけるのも良いものです。母だから臨機応変に対応できる能力があり、それもきっと仕事にも役立つ能力だと思います。自分のペースをみつけて働く。だからこそお客さまのペースにも合わせて仕事ができる。
今間取り相談などの相談業務も行っていますが「〇日までに間取りを決めて契約をしないといけない」と焦って不安になるご相談がほとんど。たくさんのスタッフを抱えた企業さんではそのような仕事をしないと経営上難しくなるのも分かります。
でもフレキシブルな対応ができるみゆう設計室では、期間や仕様に制限されず、本当に自由な設計の注文住宅が建てられます。 自分たちで判断できる時間と気持ちの余裕を持つことで、暮らしを見つめなおすことができ、満足度の高い家づくりができるのです。
私は工事に関わってくれる業者さんにも工期や費用に関して無理は言いません。お客さまファーストだったとしても、作る人が幸せになれない家は幸せな家ではないと思っています。建築主にも、作り手(工務店・職人さんたち)にも喜んでもらえる幸せな家を作りたいのです。
母としての悩みや子育ての共感が仕事につながる
ブログを書き始めたのが開業した年なのでもう15年。当時からの付き合いの方は驚かれるかもしれませんが年子兄妹は高校生になりました。
最初はママ建築士としての仕事や暮らしを発信するために始めたものでしたが、そこで書き始めたことと、読んでくれているママたちの共感が仕事につながるようになった気がします。
家づくりの仕事を依頼して下さったお客さまだけではなく、他の女性建築士さんと知り合いになれたり、開催したイベントに会いに来てくれたり、不思議なことに10年以上前からブログを見てくださっている方と出会って友だちになったケースもあります。
ママ建築士だから感じた日々の疑問が役に立つ
建築設計を学び、学生の頃から一人暮らしをしていたので家事全般のことは分かっているつもりでしたが、子どもが生まれてから家のデザインへの考え方が大きく変わりました。子育てする上で収納や間取りがいかに重要なのかも感じました。
小さい子どもは何でも触りたがるし、短時間で料理をしないといけないし、そこは掃き出し窓だと危ない!ってことも。
また、我が家も二人の子供の性格が全く異なりましたので、子どもによっても対応の仕方が変わります。家づくりも同じで、家事をする人の癖や習慣を活かして設計をすると家事が楽になることに気づきました。
これらは全て子どもたちが教えてくれたこと。子育ての経験と悩みが全て仕事に役立ちました!
仕事以外の活動も全て自分の糧となる~ボランティア活動、サッカー観戦
多趣味な私ですが、今はサッカー観戦が大好きです。ヴィッセル神戸を応援し始めて、ゴール裏でも観戦するサポーターになりました。アウェイ観戦のために旅をしたり、サッカーが好きなことがきっかけでバルセロナにいってしまったり、それは学生の頃から大好きだった旅ともつながっています。
里親支援団体へのチャリティのためのハンドメイドイベントに参加した時期もありましたし、現在は、神戸の暮らしを守るために、六甲山の木の手入れと活用を考えるプロジェクトにも参加しています。
サッカーも旅もボランティア活動も、そして好きな本や映画も、自分の糧になりますし、共感から仕事に繋がることもあります。
仕事以外のことに関わるバランスこそ、その時の仕事や子育ての状況にもよります。無理をしない。そして最大限今できることを楽しむ。これも子育て中だから考えられたことですね!
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女性建築士が設計する、家事が楽になる家
建築を学んでいる時は誰も教えてくれなかったことは、育児や家事の負担を家で軽減できるということ。
こんなに大事なことが今までおろそかになっていたということなのですね。私は自分がワーキングマザーとして色々悩んできたからこそ、働きながら子育てするママの悩みを活かした家が必要とされていることを知りました。自分たちの家事・育児のスタイルに合う家を作ると暮らしが楽になります。育児と家事に疲れても、ほっと息抜きできる家になります。
ワーキングマザーは家事も育児も仕事も完璧な女性である必要は無くて、いろいろ手抜きをしても暮らしが成立する家をつくりたいのです。
わたしは子育てファミリーに寄り添い、女性が設計するから安心できる!と思われる設計者でありたいです。
母として自分らしく働くことをみつけた私だからできる「家づくり」
私はマイペースに自分にできる働き方を選んできましたが、それはひとつの方法であって何が良いかなんて答えはないと思います。でも私は母として自分らしく働くことをみつけたからこそ「お客さまに寄り添う家づくり」ができるようになりましたし、そのスタイルの働き方がとても好きです。
子育てと育児の両立が不安だというママたち、これから家を建てたいけれどどうやって家事育児をしやすい家にしたら良いか分からないという方たちが、楽しめる家づくりを。安心できる家づくりを。それが、私が目指す自分らしい住宅設計の仕事です。