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家の顔である玄関をすっきりさせるためには玄関収納、シューズクロークの計画がとても重要になります。しかし「玄関土間収納」「シューズクローク」と言ってもそのスタイルは様々で、玄関部分の広さや家族のライフスタイルによって適したシューズクロークがあります。メインの玄関とは別に家族用玄関としてのシューズクロークを設ける事例も増えています!
玄関収納にはベビーカー、スポーツ用品、アウトドア用品、コートや育児関連のものなど。収納する物も種類も増えています。できることなら楽に片付けられる、自分たちに合うシューズクロークを選びたいですよね!
今回はすっきりとした玄関をつくるために、様々なスタイルのシューズクロークを提案してきた女性建築士が玄関収納の間取りの選び方について紹介します。
シューズクロークとは?玄関収納の様々な呼び方
クロークとはコート等の上着のことを意味し、ホテルや劇場やレストランでコートや荷物を預かる場所をクローク、またはクロークルームと言います。シューズクロークというと靴用の収納を意味することもありますが、靴用に限らない玄関収納全般のことをシューズクロークと呼ぶことが多いです。
シューズクロークは玄関収納、土間収納、シューズクローゼット、シューズインクローゼットなどとも呼ばれます。省略して「シュークロ」と呼んだり、「SIC(シューズインクローゼット)」「SCL(シューズクローゼット)」と表記されることもあります。
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シューズクロークの3つのスタイルと実例
シューズクローク(玄関収納)には主に3つのスタイルがあります。
- シューズインクローク
- ウォークスルーシューズクローク、家族用玄関
- クロークボックス、シューズボックス
1)シューズインクローク
シューズインクロークとは玄関土間に設けた収納部屋のことを指すことが多いです。土間収納やシューズインクローゼット(SCL)と表記されることもあります。靴のまま入れるので、室内に持ち込みたくないスポーツの道具やキャンプ用品、ベビーカーや三輪車などを収納するのに適しています。
- 屋外で使う物を収納すれば、室内に砂などの汚れを持ち込まなくて済む
- 屋外で使う物の収納、出し入れがしやすい
- 室内で使うものを収納すると、靴を履いてからでないと取り出せない
- 靴を収納した場合、玄関土間に一度降りてから靴を選ぶ必要がある
玄関で片付ける靴やコート、屋外で使うものをまとめて収納できるのがメリットのシューズインクロークですが、収納した物を室内で使おうと思った時に一度靴を履かないといけないのがデメリットです。このような間取りの場合は玄関にも下足箱を設置すると安心できます。
広い玄関土間空間の横にシューズインクロークを設けた事例を紹介します。
リビングや水回りは2階にあり、季節外の家電なども置いておくことを想定して広めのシューズインクロークを作りました。靴だけではなくスキー等のスポーツ用品、キャンプ用品も置くことを想定しています。
収納する物のサイズに合わせて棚を変えられるように、すべての棚板のサイズを同じにしています。左側には棚板2枚分の奥行、右側には棚板1枚分の奥行としているので棚板が余ったら1か所にまとめておくことも可能です。
シューズインクロークが玄関の沓脱場所と離れているので、日常使いの靴は沓脱の横に収納できるようにしてあります。
キャンプ用品やロードバイク、ベビーカーや三輪車など屋外で使うものが多い家には玄関土間に専用の収納空間がある「シューズインクローク」をオススメしています。雪かきの道具や、畑作業の道具を置くという目的の人もいました。湿気や臭いを防ぐために換気扇や窓を設けると良いでしょう。
2)ウォークスルーシューズクローク、家族用玄関
シューズクローク内で靴を脱いで家に上がることができる間取り。脱いだ靴を片付けやすく、日常履いている靴はウォークスルーシューズクローク内の土間に出しておいてもメイン玄関はすっきりしているので安心できます。
みゆう設計室では「子どもが靴を片付けなくて玄関がすっきりしない!」と悩む子育て家庭に「家族用玄関」としてウォークスルーシューズクロークをご提案することが多いです。
- 屋外で使う物、靴、コートなどを帰ってきた流れで片付けてそのまま室内に入れる
- 日常履いている靴は土間に出しておいてもメイン玄関がすっきりする
- 靴用の棚はオープンの可動棚で良いので、靴を片付けやすい
- シューズクロークから玄関や廊下への動線が必要なため、収納量が減ることがある
- 室内とも繋がっているので、臭いや湿気などの対応が必要
子育て家庭に便利なウォークスルーシューズクロークですが、動線でスペースをとるので玄関周辺に面積確保できることも条件になります。無理にウォークスルーシューズクロークを作っても必要な収納が作れないこともあるので、その場合は収納量に見合った別の玄関収納をご提案しています。
玄関横にベビーカー、靴、キャンプ用品などを収納できる家族用玄関、ウォークスルーシューズクロークの実例を紹介します。ドアを設けると開け閉めが必要なので、ロールスクリーンを使って来客時のみ隠せるようにしています。
また、ウォークスルーシューズクロークの横に洗面台を設けているので、帰宅してからすぐに手洗いうがいができます。
ウォークスルーシューズクローク、家族用玄関はやはり子育て家庭にオススメです。小さなお子さんでも簡単に片付けができるようにしておけば育児負担も減りますし、メイン玄関はすっきりするので親のイライラを軽減できます。幼稚園、保育園等の保護者用パスケースなどを壁に引っかけられると忘れ物防止にもなります。
3)クロークボックス、玄関のオープン棚収納
靴に限らず、ベビーカー、ゴルフバッグ、コートやキャンプ用品なども収納できる壁面収納。扉のあるタイプの玄関収納はクロークボックスと呼ばれることがあります。
- 省スペースで玄関にベビーカーやゴルフバッグなどを収納できる
- 扉を設ければ玄関がすっきりするが、出し入れするときに扉の開閉が必要
- 扉がなければ収納が楽にできるが、玄関に物が丸見えになるのでディスプレイするように収納する必要がある
クロークボックスのショールームての展示をご紹介します。土間続きでゴルフバッグやスーツケース、ベビーカーなどを設置できるので便利ですね。
玄関に靴以外のものを収納したいけれど、あまり玄関に面積を確保できないという家にオススメです。コートをかけたいときはクロークボックスの奥行が必要なので、コートサイズに合わせるか靴サイズに合わせるか工夫する必要はあります。
シューズクロークの床は土間である必要はない
シューズクロークは玄関土間収納だと思われることが多いですが、上足のエリアに設けても問題はありません。ベビーカーなどがある場合は土間収納が良いですが、コートやスポーツ用品、バッグ類などを置く場合は上足エリアにある方が室内から取り出しやすくて便利です。
シューズクロークが土間(土足エリア)にある間取りの実例、上足エリアにある間取りの実例 、シューズクローク内で靴を脱げる間取りの実例を比較してみましょう。
全て土間(土足)のシューズクロークの実例
収納内が全て土間なので、玄関土間収納とよく言われる間取りです。上記で紹介しているクロークボックスも土間のみで収納することが多いです。
土間収納という言葉もよく使われていて、シューズクロークでは床が全て土間になることが多いです。すべて土足となるので室内からものを取り出しにくいという点を理解して土足の範囲を選ぶと良いでしょう。
土間ではない(上足)シューズクロークの実例
玄関上がってから室内に玄関収納を設ける間取りです。室内に設けているので、屋外で使うものも室内で使うものも収納することが可能です。ストック用の水や通勤用のバッグなどを置くのにも適しています。
玄関収納というと床が全て土間になるケースが多いのですが、玄関収納にバッグなど「屋外と屋内両方で使う可能性があるもの」を置くケースも増えているため、逆に玄関収納が土足ではないほうが良いという要望も増えています。土間にそのまま置いておきたいベビーカーや自転車・三輪車などが無い家にオススメです。
シューズクローク内で靴を脱げる間取りの実例
シューズクローク内で靴を脱げる、ウォークスルーシューズクロークや家族用玄関と呼ばれる間取りです。
半分は土足、半分は上足にしておくとそれぞれに適した場所に収納できるので、シューズクロークの中で一番使いやすい玄関収納になると思います。ただし広さが必要なので、シューズクロークの面積を確保できる家にオススメの間取りです。
シューズクロークの計画をするときの女性建築士のヒアリング
ここまでご紹介したようにシューズクロークといっても色んなスタイルがあります。あなたにはどのようなシューズクロークが適しているのでしょうか。あなたが作りたいと思っているシューズクロークはどのスタイルでしたか?
次に、あなたに適したシューズクロークを提案するために、女性建築士がどのようなヒアリングをしているかご紹介します。
1)アウトドアやスポーツなどの趣味について
キャンプ等のアウトドア活動をしますか?また将来的にキャンプとかしたいな・・・と思われていますか?
玄関で収納する物で一番大きいのがキャンプ用品であることが多いので、アウトドアの趣味について一番最初に伺います。キャンプ、自転車、登山、釣り、海水浴など・・・。今は大き目の公園やプールに行くときにテントを持っていく人もいるので、テントやアウトドアテーブルセットなどを持っているか伺います。
家族それぞれ何かスポーツをしていますか?スポーツのための道具をどれくらいお持ちですか?将来的に何かお子さんにしてほしい、一緒にしたいと思うスポーツはありますか?
玄関に置くことが多いスポーツ用品は、サッカーや野球の道具、シューズ、スパイク、ゴルフバッグなどです。その他にテニスラケット、スキーやスノーボードなども置くスペースを事前に考えると片付けやすい玄関収納になります。
あとはお子さんがサッカーや野球など屋外スポーツを行っている場合、保護者の観戦用にアウトドアチェアやクーラーボックス、大き目のウォータージャグなどを使う方もいますので、誰がそのスポーツをしているのかというのもポイントになります。
2)靴の量はどれくらいありますか?
靴は家族全員で何足くらいお持ちですか?襖1枚分くらいの幅・高さの収納棚に靴を収納したと仮定して、襖何枚分くらい靴がありますか?
家族全員で何足の靴を持っているか把握できている場合は良いですが、大抵の人は「多い」か「少ない」くらいしか靴の量を認識していないと思います。そこで襖のサイズでイメージしてもらうようにしています。
家族全員で襖1枚分くらい靴を所有する家が一般的なようですが、一人当たり襖1枚分くらい靴をお持ちの家もあります。シューズクロークは靴以外のものも収納できるスペースとして計画しますが、まずは靴が必要な量収納できなければ玄関収納としての役割を担えないですからね!
3)玄関の掃除や片付けでイライラすることはありますか?
今の玄関で不満に感じたり、掃除や片付けでイライラすることはありますか?また、今の玄関で気に入っているところや使いやすく工夫していることはありますか?
「シューズクロークを作りたい」という要望がある場合、今の玄関で収納や片付けの上で改善させたいことがある人が多いです。または今のシューズクロークが使いやすいので同じような収納を作りたい人もいます。
あとはお子さんが玄関にランドセルや靴を放置しているのが嫌!という人も多いですね。
イライラする原因はその人、その家によるので、その家族に合わせたシューズクロークを作るために家族の玄関の使い方の癖や習慣などを教えてもらっています。
靴以外でシューズクロークに収納すると良い物
シューズクロークと呼ばれる収納ですが、靴以外のものを収納できる玄関収納のことを指すことが多いことはここまでで紹介してきました。それでは、靴以外でシューズクロークに収納すると良い物、実際に収納したいと要望があったものについて紹介します。
野球(バット、ヘルメット、グローブ、シューズ)、テニス(ラケット)、ゴルフ(ゴルフバッグ)、その他球技のボール・シューズ、ウォータージャグ、スキー板・スノーボード、道具のメンテナンス用品
テント、キャンプテーブル・チェア、パラソル、寝袋等、自転車(ロードバイク)、クーラーボックス、アウトドア調理道具、釣り道具
ベビーカー、三輪車・子供用自転車、ヘルメット・帽子、レインコート、ビニールプール、外遊び用のおもちゃ、IDパスケース(学校・保育園・習い事用)
- コート、レインコート、帽子等屋外用の衣類
- 通勤用のバッグ、習い事用のバッグ
- 電動自転車のバッテリー充電器
- スーツケース
- 防災グッズ(非常用持出袋、ストック用の水、ラジオ・懐中電灯など)
- 通販・宅配関連(定期購入するもののストック、段ボールごみ、置き配の箱)
- 家庭菜園、農作業用の道具
- 雪かき道具
- ファンヒーター用の灯油
色んな種類のものがありますが、全てを収納するわけではありません。あなたたちの家で玄関に収納したいものは何か、ピックアップしてみてくださいね。玄関に収納しなくても良いものもあります。庭に余裕があれば庭に物置を置くと割り切っても良いでしょう。
あなたに適したシューズクロークとは!?
ここまでで色んなスタイルのシューズクロークがあることをご紹介しました。次はあなたに適したシューズクロークを選びましょう。
我が家は靴がたくさんあります。靴を選びやすいシューズクロークにしたいです。コートもかけておきたいです。アウトドア用品はあまりありませんが、テニスラケットとベビーカーも収納できるシューズクロークがいいな・・・。
靴が多い家の場合はシューズクロークの棚の奥行は30cm程度の浅めのものでOKです。棚の数を多めに設けておきましょう。靴とコートが多いおしゃれな方はその場で靴とコートをコーディネートして身に着けた姿を確認すると思います。できれば自然光が入る窓と全身鏡を設けておくと良いでしょう。テニスラケットはコート掛けの下部に引っかけておけるようにするのもGOODです!
釣りやロードレース、キャンプなどアウトドアの趣味の道具が多いです。自転車は2台上下に壁にかけられるようにしておきたいなと思っています。
アウトドア用品が多い場合は玄関土間と分けた収納部屋であるシューズインクロークを設けることをオススメします。屋外で使う物なので、湿気を持ち込んでカビが発生するのを避けるために窓や換気扇を設けて換気できるようにしておくと良いですね。靴用の収納を玄関沓脱の位置に設けたいところですが「自転車2台を壁にかけたい」という点を優先して、シューズインクローク内に収納量確保できるようにしましょう。
子どものランドセルや塾のかばん、夫婦の仕事用のバッグを置けるシューズクロークにしたいです。また帰宅して荷物を置いたらすぐに手洗いうがいができる動線にしておきたいですね。また定期購入している水や日用品、生協の置き配のボックスなども収納できるといいな。
バッグ類を収納したい場合は、室内からも取り出しやすい位置にシューズクロークがあると便利です。定期購入している日用品もまめにストックを確認できる場所にある方が良いです。Cさんのお子さんは小学生でベビーカーは必要ないですし、玄関土間に収納しなくても良いと思います。シューズクロークで荷物やコートを片付けて、すぐ隣の洗面所で手洗いうがいをできると楽ですね。靴を脱いだ後に設けるシューズクロークなので、玄関土間の靴をぬぐ位置に下足箱も設けることをオススメします。
家の面積に限りがあるので、玄関に収納部屋を設けることは難しいのですが、ベビーカーやコート、多くは無いですがキャンプ用品なども置けるシューズクロークが欲しいです。できるだけ楽に片づけられる方がいいですね。
玄関土間の壁面にベビーカー、コートが入る奥行の壁面収納を設けましょう。扉の開閉が不便な場合はロールスクリーンを使うのも良いですね。土間の壁面収納内には季節外の靴(サンダルやブーツ、長靴)を収納して、それとは別に日常履く靴用の下足箱も設けておいた方が良いでしょう。
まとめ
- 何を収納するためのシューズクローク、玄関収納なのか考える
- 収納する物の量と種類、面積に合うタイプのシューズクロークを選ぶ
- 子育て家庭や靴の多い家にはウォークスルーシューズクロークがおすすめ
- 必ずしも玄関土間収納である必要はなく、上足エリアのシューズクロークでも良い
玄関に収納したいものが多岐にわたるようになり、下足箱だけでは収納が不足する家も増えています。何を玄関に収納したいのか、玄関以外に収納するのでも良いのか、しっかり考えてシューズクロークを選んでくださいね。あなたに適したシューズクロークの家を設計したい方はみゆう設計室にお問合せください!
この記事で紹介したみゆう設計室の設計事例