洗濯物を乾かす方法によって家事ラク間取りは変わる~洗濯物を干す・乾かす場所別の家事ラクポイント

洗濯物を乾かす方法によって家事ラク間取りは変わる~洗濯物を干す・乾かす場所別の家事ラクポイント

洗濯物をあなたはどこに干したいと思っていますか?衣類乾燥機や浴室乾燥機をつかって衣類を機械乾燥したい人も多いでしょう。

主にどのような方法で洗濯物を乾かすかによって、家事が楽になる間取りは変わります。洗濯物を乾かす方法はひとつに絞る必要はありません。室内干しメインで、休日は外干し、天気が悪い日は浴室乾燥を使う、というような考え方で良いのです。ただ、メインはどこでどのように乾かすか決めていると、洗濯に使う道具の置き場所や、作業場所、片付け場所との距離を短くできます。

今回は洗濯物を乾かす方法別に、それぞれのメリットデメリットと洗濯がラクになる間取りのポイントについて紹介します。

洗濯物を乾かす場所に影響する、家事ラク間取りのポイント

インナーテラスのある家のバルコニー

おひさまの光を浴びて乾いた洗濯物が大好き、という人もたくさんいますが、共働きで平日は洗濯物を外に出しておけないという家庭や、花粉症なので洗濯物を外に干せないという人がとても多くなりました。屋外に干さないとしても、洗濯のためのスペースを作ればリビングなどに洗濯物を干す必要は無くなります。

あなたはどこで、どのように洗濯物を干したい(乾かしたい)ですか?

まずは、洗濯物を乾かす場所に影響する、家事ラクポイントについてまとめてみました。

洗濯機との距離

衣類乾燥機を使う場合以外は、「洗濯物を干す」作業が発生します。洗濯物を洗って、カゴなどに入れて、洗濯物を干す場所まで運ぶ。その距離が近い方が家事が楽になります。

洗濯機から取り出してその場で干す作業ができるともっと楽ですね。

洗濯物を洗う前より洗った後の方が水分を含んで重くなるので、洗濯機の場所を干す場所の近くに設置するというケースもあります。

衣類を収納する場所との距離

室内干しスペースとファミリークローゼットの距離

洗濯物を乾かす場所と、洗濯物を収納しておく場所(ファミリークローゼットなど)が近いと、衣類の片付けがとても楽になります。ただ、自然乾燥の場合は洗濯物を干す場所は湿気が多くなるので、換気する際に空気がクローゼット側に入り込まないように気をつけましょう。

乾きやすさ、乾く時間

室内干しスペースのサーキュレーター用コンセント設置

自然乾燥の場合は干すスペースが広くて、日光や風が当たると乾きやすくなります。室内干しの場合も同じで、北側の狭い部屋であると乾きにくいこともあります。

乾きにくい時は除湿機やエアコン、サーキュレーターで補うと良いでしょう。そのためのコンセント設置も事前に考えておくことをおすすめします。

場所によっては丸一日干していても乾かないこともあるかもしれません。

機械で乾燥させると乾燥時間を短縮でき、また、乾燥する時間が読めるのでその先の「洗濯物を畳む、片付ける」作業をする時間を決めやすくなります。

作業台、ハンガーパイプ

洗濯作業が楽になるのが作業台とハンガーパイプ。洗濯を干す場所でなくても、干す作業を洗濯機の近くでできればカゴで運ぶ手間が省けますし、外干しする場合でもハンガーにかけた状態で洗濯機前から移動させることが可能です。

洗濯物が乾いた後は、畳む作業を行う作業台があると便利。

洗濯機とハンガーパイプと作業台、これが全て揃った家事室・ランドリールームがあると確かに家事が楽になりますね!

洗濯作業の道具の収納

洗濯物を干す場所の近くにハンガーやピンチハンガーなどを収納できると家がごちゃごちゃせず、洗濯作業が楽になります。

洗濯機の上は洗濯物を干すためのハンガーなどを収納
洗濯機の上にハンガーなどを収納

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家事動線が短い「洗濯機能も収納も充実した洗面所」 家事動線が短い「洗濯機能も収納も充実した洗面所」

洗濯物を乾かす方法・場所の分類

洗濯物を乾かす方法を次のように分類してみました。

  • 屋外に干す(バルコニー、庭・テラス)/自然乾燥
  • 半屋外に干す(インナーテラス、ガーデンテラス)/自然乾燥
  • 室内に干す(家事室・ランドリールーム、日当たりの良いフリースペース)/自然乾燥
  • 浴室に干して、浴室乾燥機を使う/機械乾燥
  • 衣類用の乾燥機を使う(衣類乾燥機、ドラム式洗濯機)/機械乾燥
みゆう建築士
みゆう建築士

次は、洗濯物を干す場所別の家事ラク間取りのポイントについて紹介します。

洗濯物を屋外で干すときの家事ラク間取り

洗濯物を屋外で干す場合、洗濯機を置く場所(洗面所等)と洗濯物を干す場所との距離が家事ラク間取りのカギになります。別の階に干す場合は移動が大変なので、極力距離が短くなるようにしましょう。

1)バルコニー(2階以上)で干す

2階以上にあるバルコニーでの外干しは日当たりも良くしっかり乾きますし、洗濯物のセキュリティも安心。

ただ、一般的に1階に洗濯機置き場があるケースが多いので、洗った衣類を運ぶのが大変です。特に歳を取ると洗濯物を持って2階に上がるのが危なく、苦痛になることもあります。

それを考慮して2階浴室+洗面所にしたり、洗濯機だけ2階バルコニーに設けることもあります。バルコニーで洗濯物を干す場合は、バルコニー近くに洗濯物をたたむ作業台を設けたり、バルコニーから衣類を片付ける場所が近いと家事ラクになります。

洗濯動線の良い間取り
メリット
  • 洗濯物がよく乾く
  • 洗濯物の盗難など、セキュリティの上で安心
デメリット
  • 洗濯機が1階にあると移動が大変
  • 洗濯物を1階リビングで畳みたい人の場合も、乾いた衣類を運ぶ手間がかかる

2)庭、テラス(1階)で干す

平屋建の場合や、洗濯物をお庭で干しても問題ない場合は1階の庭、テラスで洗濯物を干すのも良いでしょう。この場合は洗濯機は1階にあるでしょうから、洗った衣類を運ぶのも楽になります。

できるだけ洗濯機を置く場所と干す場所を近くして、直に出られる間取りにしておくと家事ラクな間取りになります。

洗面所の隣に外干しテラスがある間取り
メリット
  • 洗濯物が乾きやすい(1階でも日当たりが良い場合)
  • 洗った洗濯物を2階に上げなくても良い
デメリット
  • 隣地、道路などから見えやすい
  • 洗濯物の盗難などの不安

洗濯物を半屋外で干すときの家事ラク間取り

既存のサンルームを活かせるよう、建具を作り替えました

サンルーム、インナーテラス、ガーデンルームなど半分屋外のように使える部屋で洗濯物を干すケースです。

3)インナーテラス、サンルームで干す

インナーテラスというとほぼ屋内のような空間のケースもありますが、サッシ(窓)外に部屋を設けていることが多いので、その場合窓をあけて洗濯物を干して外出しても大丈夫です。

洗濯物を干すためにサンルームを設ける方も多いのですが、ひとつだけネックになるのが「暑さ」です。日当たりの良い場所にサンルームを設けると夏場暑くなり、室内にもその暑さが影響することがあります。家族が過ごす場所とは離れた場所にサンルームを設けることをオススメします。

メリット
  • 洗濯物が乾きやすい(日当たりが良い場合)
  • 窓外に設けたサンルームの場合、サンルーム内は窓をあけておいて、室内側のカギをロックしておけば防犯上も安心
デメリット
  • 日当たりの良い場所だと暑くなりすぎることもある

洗濯物を室内干しするときの家事ラク間取り

洗濯物を干しやすい洗面所

今とても増えているのが自然乾燥の室内干し。干す場所が無いのでリビングが室内干ししている洗濯物でいっぱい、という人も多いようです。

洗濯物を室内干しする家を作る場合は、家事室やランドリールームと言うような洗濯物を干すための部屋を設けたり、バルコニーに面した室内干しできるフリースペースを設けることをオススメします。

4)洗濯用の家事室、ランドリールームで干す

洗濯機を置く部屋に部屋干し用の物干し竿を設けるケースです。どうしてもリビングダイニング等を南に配置することが多いので、洗濯用の家事室は北側になりがちです。可能であれば日当たり・風通しの良い位置に配置しましょう。北側に設ける場合天窓を設けたり、窓を大きめにしたりして、除湿機やサーキュレーターで乾燥を補うと良いと思います。その場合のコンセント位置なども事前に考えておきましょう。

南に家事室を配置した洗濯動線の良い間取り
メリット
  • 洗濯機を置いた場所で洗濯物を干して、その場で畳むこともできるので家事ラク
  • リビングなどに洗濯物を持ち込まなくて良い
デメリット
  • 場所や広さによっては洗濯物がなかなか乾かない

5)日当たり良い場所にあるフリースペース

明るい中廊下
廊下の突き当り、バルコニーに面して設けた室内干しスペース

日当たりの良い広めの廊下や、バルコニーに面したフリースペースなどを室内干しのスペースにするのも良いと思います。家事室のように囲まれていない分洗濯物も乾きやすいでしょう。

バルコニーに面していると、外干しと室内干しを切り替えやすいのでオススメです。

メリット
  • 日当たりが良ければ比較的乾きやすい
  • 洗濯機置き場の近くであると移動が少なくて家事ラク
デメリット
  • 囲われた空間になっていない場合除湿機が効きにくい(サーキュレーターはOK)

機械乾燥するときの家事ラク間取り

最後に機械乾燥する場合の家事ラク間取りについて紹介します。機械乾燥でも機械の中で乾燥させる衣類乾燥機やドラム式洗濯乾燥機を使う場合と、浴室乾燥機を使う場合では家事ラクな間取りが異なります。

6)浴室乾燥機

シンプルなユニットバス

浴室乾燥機は浴室内のハンガーパイプに洗濯物を干して、機械乾燥させます。室内干しで乾きにくい厚手の服や、バスタオルなどを乾かすのに向いていると思うので、室内干しや衣類乾燥機を使う方にも可能なら浴室乾燥を併用したほうが良いと私は勧めています。浴室のすぐ外、洗面所に洗濯機を置くケースが多いので、洗濯機から衣類を出してそのままハンガーにかけるという作業もとてもしやすくなります。

メリット
  • 厚手の衣類も乾きやすい
  • 洗濯機置き場の近くに浴室があることが多いので、干す場所が近くて家事ラク
デメリット
  • 入浴するときには衣類を出さなければならない
  • たくさん洗濯物を干すと乾きにくいことがある
  • 電気代またはガス代がかかる

7)衣類乾燥機・ドラム式洗濯乾燥機

下部にはアイロンや洗濯道具を収納できる

衣類乾燥機があると、干す作業が減るので家事時間を減らせますね。とても家事楽になりますが、衣類によっては縮むことがあるので、乾燥をかけない衣類の干し方も考えておく必要はあります。

また「衣類乾燥機を使うけれど、ハンガーに衣類をかけて収納したい」という人の場合は、乾燥機の近くにハンガーパイプを設けて、乾燥後の衣類をハンガーにかける作業ができると家事ラクになります。

電気の衣類乾燥機やドラム式洗濯機の乾燥機能では時間がかかるものも、ガス衣類乾燥機乾太くん(リンナイ)を使うと時間が短くなってさらに家事ラクになると言われています。マンションなどでは設置が難しいため設置できる家は限定されていますが、「洗濯の時間を極力減らしたい」という人には乾太くんをオススメしています。

メリット
  • 衣類が乾く時間が読める
  • 干す手間が省けて家事時間を減らせる
デメリット
  • 乾燥機に向かない衣類がある(縮む)
  • 乾きにくい衣類がある(デニム、厚手の服)
  • 電気代・ガス代がかかる
  • 乾燥後早めに取り出さないと、服がしわくちゃになることがある

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まとめ:衣類をどこで干したいか事前に考えておこう!

まとめ
  • 洗濯物どこでどのように干したいか、乾かしたいか事前に考えておく
  • 洗濯物を洗う場所、干す場所、畳む場所、片付ける場所が近いと家事ラクになる
  • 洗濯物を乾かす場所に、洗濯用の道具を収納できるようにしておく
  • 室内干しする場所には除湿機・サーキュレーター用のコンセントを設ける
  • ガス衣類乾燥機乾太くんはオススメ
みゆう建築士
みゆう建築士

洗濯物を干す・乾かす方法は1つに限定しなくても良いのです。室内干しも外干しも機械乾燥もできる家なら、その時々で適した乾かし方にしたらOK。ただ、洗濯物の道具の定位置を決め、衣類を運ぶ距離がどのパターンでも極力短くなるようにしておくと家事ラクになります。洗濯がラクになる家を作りたい方は、ぜひみゆう設計室にご依頼くださいね!!

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