家事ラク間取りの落とし穴

後ろに水回りゾーンがあるキッチン 「家事が楽になる間取り」で検索してみると、面白い間取りがたくさんあるのですが、家事動線が短いけれど使いにくなという感じる間取りもあります。 動線を「移動の距離」だけでみると、動線の短さで便利で家事がしやすいと思われてしまうのです。 「家事動線が短い」という表現で紹介されているとなおさら。 でも実際に使ってみると・・・

これ、本当に家事ラクになる?

キッチンから洗面所に入れる回遊性のある間取り。 この間取りが 「家事動線が短い」 としてよく使われているようです。 逆にこの回遊性や家事動線の短い間取りに対して「収納が足りない」とインテリア相談で言われることが多いです。 「家事動線を短く」する必要性がその間取りにあるのか否かというところが抑えられていないからなのです。

家事動線が良いとされる間取りの家だと収納力が落ちる

キッチンから洗面所に入れる、という間取りはプランによってはとても便利です。 でも、洗面所のメイン入り口がキッチンからそう遠くないのに(そう、多くは隣り合っているんですよね)、キッチンから直に洗面所に入れるドアがある。 そうすると・・・その分、収納力が落ちる。 プランニングの上で、その「家事動線が短い」という要素や「家事が楽になる」という要素を埋め込むのではなく、その要素を盛り込むことにどれくらいのメリットの空間なのかどうかを把握する必要があります。 マンションでこの間取りがよく見られます。 このようなマンションを選ばれるときは、家事動線が短くなることで収納量が大きく減らないかどうか確認すると良いと思います。

回遊できる間取りこそ、効果的な収納計画を

収納ロスの無い回遊できる水周り動線 回遊できて、家事動線が短くなる事例を紹介します。 写真は「家族が集う家」のキッチンからパントリー、洗面所を見た写真です。 キッチンは壁向きであり、Ⅱ型のキッチン奥の中央引戸からパントリー(パントリーには収納、マルチシンク、勝手口があります)、さらに奥には洗面所・洗濯室があります。 リビング側から洗面所が見える位置でもないですし、廊下を長く設けていないので、無駄なスペースがありません。また、バックヤードが一列に並んでいて、出入り口によって減る収納もありません。 (洗面所のメイン入口の隣はトイレ。単純な廊下の機能のスペースが短く計画されています)

回遊できるウォークインクロゼットの事例

主寝室から見たウォークインクロゼット つぎは「インナーテラスのある家」のウォークインクロゼット。 寝室から見た写真ですが左側の入り口は書斎スペースとつながる扉で、右側の扉がウォークインクロゼットの扉です。 このウォークインクロゼットは、廊下からも入れます。 2階で干した洗濯物を持ってきて、すぐにウォークインクロゼットに収納できます。 ご主人のための書斎スペースが寝室の隣に。 お仕事を持ち帰って自宅で作業をされる時、集中してクローズしたいときは寝室への行き来にウォークインクロゼット内を通ることが可能です。 これは、もともと、収納内も風を通すために扉を設けたのですが、扉分少しだけ収納が減っていても、機能の方が優位に立っているケースです。 回遊できる収納スペース

収納ゾーンが一列に並ぶ間取り

収納ロスの無い間取り 収納ゾーンを一列に配置すると収納ロスが減ります。 玄関から入ってシューズクロゼット、洗面台、キッチンパントリー→キッチンと繋がっています。 洗面台の背面にはLDKからの廊下があり、トイレに近接している回遊間取りです。

家事動線が短い=家事がしやすい間取りにする

実際、家事動線が短いと家事はしやすくなります。 ですが、その家の間取り、配置によっては収納を減らしてしまうこともあります。 収納が減ることと家事動線の短さを天秤にはかって、どちらがその家の暮らしにとってふさわしいのか、また、他に代わりとなる収納を設けることができるのか、メリットを最大限活かせる間取りをデザインすることが大事だと思っています。

このコラムに登場するお住まい

家族が集う家
インナーテラスのある家
都会の小さな森の家