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窓が多い家は明るくて開放的で心地よい、というイメージを持つ人が多いようですが、実は「窓が多すぎる」ことで住み心地が悪くなることがあります。
窓が大きければ明るく快適な家になるとは限りません。みゆう設計室の場合は、明るさだけでなく、窓の外の見え方、窓の外からの見られ方、隣地との距離・方位・風の入り方など、いろんな条件を考えて窓の位置やサイズを決めています。もちろん、窓の形次第で建物の外観も変わるので、心地よさとデザインとのバランスを考える窓計画はとても難しいのです。
今回は、窓が多いことによる失敗を避けるための「快適な窓の大きさと位置を決めるためのポイント」を紹介します。
窓が多いと家具配置が難しいことがある
窓が多いなと感じるのはマンションのケースが多いです。建築基準法上、採光のための窓が必要だからだと思います。窓が多いと明るくて風通しも良くて心地良いと思われがちですが、窓が多すぎると家具の配置が難しいことが多いです。
マンションで空間の全方向に開口(窓、又は扉、押入れの襖など)がある部屋もよくみられ、壁が少ないので家具が置けなくて悩んでいる人は多いと思います。また寝室のベッド配置をするときに、どう配置しても掃き出し窓側をベッドヘッドにしなければならない間取りもありました。掃き出し窓の前に家具を置くと結露を起こすこともあるので、掃き出し窓に面して家具を置くことは避けたほうが良いでしょう。
- その部屋に置きたい家具が置ける窓位置にする
- 明るい部屋にしたいからといって、むやみに掃き出し窓にしない
- ベッドを置く部屋に関してはベッド上と窓下の高さを考え、窓から転落しない高さで計画
- 掃き出し窓に面して家具を置くと結露を起こすこともある
壁がある方が家具が配置しやすいので、ベッドの配置をしやすいように寝室の窓を高めにすることは多いです。お布団など寝具を干すためにバルコニーに面している時は、窓とベッドが近くなり過ぎないように、少し寝室を広めに設けることをオススメします。
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外から、室内からの「見え方」で窓位置を決める
ガレージに面して設けられた掃出し窓が外から丸見えで、日中ほとんどシャッターを閉めている家がありました。実は「外から見えるのでシャッターを閉めている」という悩みはとても多いのです。外から丸見えになる位置に大きな窓を設ける時は、型板ガラス(曇りガラス)にして外から見えにくくするか、遮像効果のあるレースカーテン(ミラーレースなど)を使用することを勧めています。
これは隣接している建物の窓位置関係でも同じことが言えます。窓が近くなってしまう場合は、窓サイズを小さくしたり、高い位置に設けたりして、窓を開けた時も目線が合わないように。隣の家の給湯器やエアコンの室外機、換気扇の位置もチェックしておきましょう。
- 外から見えやすい位置に掃き出し窓を設けると窓があけられないことがある
- 明るさ優先で外部から見える位置に窓を設けた場合は、型板ガラスにするか遮像効果のあるレースカーテンを使う
- 隣地建物の窓位置や室外機などの位置もチェック
- 自分の家の敷地から見える「良い景色」を優先して間取りを考える
みゆう設計室の場合、その敷地の日当たり・風の流れ・見える風景を活かして間取りを作ります。LDKや主寝室など、心地よく過ごしたい場所には敷地の良い場所を配置します。この位置に窓をもってきたい、という考えから家の間取りを作ると、心地よく暮らせる家になりますよ!
暑さの入り口、寒さの入り口でもある窓
西に設けられた窓は西日で夏場に耐えられない暑さになることがあります。西面に窓が必要になる時は、窓を小さくするか、遮熱効果のあるレースカーテン、状況が特に悪い場合は遮光カーテンなどを設けます。大きな窓以上に遮熱タイプのLow-e複層ガラスにすることをオススメします。
建物の壁で西日を遮る方が断熱効果は高いので、西面に窓を設ける時は「風通しのために小窓を設ける」と考える方が良いと思います。
また、冬場に窓からの冷気が辛くなることもあります。寝室の窓は特に注意が必要です。寝室は適度に日が入り風通しをよくできれば、掃出し窓のような大きな開口は無くても良いと思います。
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窓に向いて勉強すると集中できない!?
デスク正面が窓だと気持ちが散漫して、集中できない、と聞きます。気が外に向いてしまうみたいですね。子ども部屋には壁をむいてデスクを置ける配置でプランニングしています。
この写真のケースも、窓を高くしてあげて目線には入らないように。さらに光は上から差し込むように考えています。「子ども部屋は明るい方が良い」と言われますが、それが大開口の窓である必要はありません。適切な窓サイズできちんと採光、換気ができる窓を選んであげましょうね。
- 子ども部屋のデスク配置をするときには、デスクの正面に窓が無いように計画
- デスクの前に窓があると集中できないと言われている
- 大人用のデスクやファミリーデスクの場合は、気分転換やリラックスのために屋外の見える窓を設けるのは良いでしょう。
照明や内装で暗さをカバーする
窓が少なくて暗い、という家の場合、壁や照明の使い方で部屋の印象が変わることがあります。
天井に設けた青い昼光色のシーリングライトは、部屋を明るくするために照明を設けているのにも関わらず、白の壁紙を寒く冷たく見せていることがあります。シーリングライトを使うときは温白色の照明を使うと良いでしょう。
フロアランプや間接照明で壁を照らしたり、下から壁や天井を照らしたりするのもオススメ。明るく良い質感のカーテンを使うのも効果があります。壁や床の色や照明の使い方で暗さをカバーすることもできます。
- 暗いと感じる部屋はただ明るい照明を使うだけではなく、温白色の照明や間接照明なども加えてみる
- 壁や床の色や質感によっても明るさが変わる
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まとめ:窓は欲張らず適切なサイズにしよう!
窓がたくさんあると部屋が明るくなる、窓が大きいと心地良い空間になる、と思いがちですができるだけたくさんと欲張るのではなく、家具の配置や部屋の使い方を考えて、適切なサイズの窓を必要なだけ設けるようにしましょう。
- 掃き出し窓だから明るくて心地良いとは限らない
- 家具の配置を考えて窓の大きさを決めよう
- 西日には注意
- 窓を設けても暗い、又は窓が設けられなくて暗い部屋は照明を上手に使おう
みゆう設計室の場合は暮らし方に合わせて窓サイズや形状を提案しますが、適切な窓サイズと窓配置を考えるのは難しいですよね。家づくりのセカンドオピニオンという業務では窓の大きさや形状をアドバイスするケースが多いです。アドバイスが必要な方はお問合せくださいね。
この記事で紹介したみゆう設計室の設計事例