広いLDKの中心にあるオープンキッチンと、キッチン背面収納の工夫

カウンターを高めにして、収納力を増やしたキッチン背面収納
カウンターを高めにして、収納力を増やしたキッチン背面収納

「ナチュラルモダンな家」のキッチン背面収納には建築主に合わせたいろんな「ひみつ」が隠れています。
一般的なキッチン背面収納に見えますが、その中に隠されたデザインの工夫について紹介します。

LDKの家具と統一感を持たせたキッチン背面収納のデザイン

ファミリーデスク、パントリーの家具とデザイン統一したキッチン背面収納

リビングのテレビ台収納、ダイニングのベンチ・ファミリーデスク、パントリーの収納家具、それらのデザイン統一をしています。

吊戸の効果で、全体が一連の家具であり、統一されているように見えます。
広いLDKになったときに統一感があるかは、家具や内装にかかってきますね!

濃茶の落ち着いた雰囲気の家具をお好みのご夫婦でしたが、部屋を軽やかに見せること、子育てファミリーらしく明るさも出したいことを考え、吊り戸を薄い白の木目(シナ)とし、下部に濃茶を使うデザインにしました。
(カウンターや天板だけ濃茶にしている箇所もあり)

取付の時期は3年のブランクがありましたが、デザインを統一させているので、取り付けの時間の差を感じさせません。

シンプルなかたちではあるけれど、使い方に合わせたキッチン背面収納をデザインしています。

小窓のひみつ

カウンター上の小さな開口はプランニングの時期にご提案したものです。
開口の奥はユーティリティ。
ユーティリティは洗面・脱衣と隣り合っていて(引戸で間仕切られていて)主に洗濯のための空間になります。
ご夫婦とお子さんとの一日の暮らしの流れについて伺った時に、お料理をしているとき、もしくはキッチンで片付けをしている時にお子さんがお風呂に入るかも・・・という話をされていました。

洗面所はキッチンと隣り合っているけれど、見える場所には無い。
それなら風通しのことも考えてキッチンから洗面所(実際は隣のユーティリティ)が見えるようにしたらどうか、というアイディアで作ったのがこの小窓です。
お子さんが小さいうちは、ユーティリティと洗面所の扉はあけておいて、お風呂の様子を感じながらキッチンで作業ができる、という間取りです。

ユーティリティとつながる小窓とキッチン背面収納
ユーティリティとつながる小窓とキッチン背面収納

ワゴン上のOPEN棚

そして、その小窓があるから設けたのが、ワゴン上(カウンター右下)のOPEN棚。
ここにはすぐ洗濯に出せるようにふきんやタオルなど「すぐ洗うものを置きたい」とのことでOPENにしています。もちろん、この小窓からユーティリティに出せるように。

また、風通しもよくなるので、一番右の吊戸棚は水切り付になっています。
理由あってのデザインなのです。

水切り付の吊戸棚とユーティリティとつながる小窓
水切り付の吊戸棚とユーティリティとつながる小窓

4段引き出し

キッチン背面収納の下部引出しは4段。
作業台としては少し高めですが、収納力を増やすために少し高いカウンターにしています。

一番下の引出しは、パスタポットや水筒が入るような深さ。
一番上はカトラリー用ですが、2番目はコップや小皿などを置いても良いようになっています。
見せる食器は別の食器棚に置く予定なのでこちらは全て中が見えない扉になっています。

キッチン背面収納の4段引き出し
キッチン背面収納の4段引き出し

古美色の取っ手

全体的に取手は使わないデザインにしていたのですが、ワゴンは重さがあるので真鍮古美色の取っ手を設けました。
みゆう設計室のデザインした造作家具では、この真鍮古美色よく使います。
木の色に合わせやすいのです。
アイアンも使うことがありますが、手を振れるところに素材感があるととても良いですね。

キッチン背面収納の真鍮古美色の取手
キッチン背面収納の真鍮古美色の取手

2カラーのキッチン背面収納

下部は濃茶、上部は白に塗装したシナのキッチン背面収納
下部は濃茶、上部は白に塗装したシナのキッチン背面収納

キッチン背面収納は2カラー。
リビングはカウンターのみが濃茶でしたが、キッチン背面収納はカウンターより下は茶系にしています。リビングカウンターより、濃さはすこし控えめにしてあります。

キッチンだと足に近い位置の収納が白だと汚れそうなイメージ・・・
でも、上部が濃い色だと圧迫感を感じるかな・・・

と思った時はこんな色分けも有りだと思います。

ちなみにカウンターの天板はメラミン白色。
料理をするときに、やはり白が一番料理の色合いを良く見せます。
健康管理を考えて、基本的には白をオススメしています。

ふたつのキッチンワゴン

キッチン背面収納の右下にワゴンがふたつあります。
ひとつはゴミ箱用(燃えるごみ)のワゴンです。
よく使われる、無印良品のゴミ箱がおさまる寸法にしてあります。
そして、もうひとつのワゴンは多機能ワゴン。

最初は調味料ラックにしようという話もありましたが、分別ごみをキッチンに置けた方が楽だな、ということで、ワゴンに直接分別ごみ袋をかけられるようなかたちにしてあります。
多くてサイドにあふれるようであれば、突っ張り棒などのストッパーを設けてもらうようお伝えしています。
このスペース、片方だけペットボトルなどのごみを入れるかもしれませんし、一升瓶や大きい水筒を入れるかもしれません。

このシンプルな形にしたのは、ゴミ箱だけではない使い方ができるように。
可変性をもつ、多機能なものにする、というのは意外とシンプルなものをつくることなのですよね。

※多機能ワゴンは3年後の取付の際に、調味料ワゴンに作り変えました。

ゴミ箱用のキッチンワゴン
ゴミ箱用のキッチンワゴン
多機能ワゴン
多機能ワゴン

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