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支えてくれる人がいないと、女性は一人で会社を経営するのは難しい。
そう話すのは伊丹市の工務店、株式会社丸野工務店の女性社長、小野五百合さん。
私は個人で設計事務所を営んでいるので、とても自由に仕事をしています。
だからこそ、とても聞いてみたかった。
社員や会社を背負って、男性社会である建築業界、それも工務店の社長をされている小野さんの話を。
先月、5月の「住マイスター勉強会」で実現しました。
新しいものがすき
工務店社長をされている小野さんはまさかの国文科出身。
学生の頃は夢は詩人か、小説家。
新しいものや自分で考えて前に進むことが好きで、大学卒業後にOL生活をするも、じきに物足りなくなり宅建の資格を取得し、さらに学びなおして建築の業界へ。
ご実家が工務店を営んでいたこともあり、まずは現場監督から。
汚い現場が嫌いで、タバコ拾いから始めたそうです。
そうやって女性らしく「整った現場」をつくり、現場仕事を駆け抜けてこれたのも社長の娘だったからだと思う、と小野さん。
のちに結婚されるご主人も現場監督。
そんなご主人、女性が社長をするほうが目立つから、と小野さんを社長に推し、小野さんをいつも支える存在でいらっしゃいます。
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仕事と家事と育児と両立させるには・・・
女性社長として工務店経営をされている小野さんは「どうやったら仕事と家事と育児を両立させられるの?」とよく聞かれるそうです。
それに対して小野さん「できるわけないでしょ!!」
ですよねー!
参加者皆盛り上がりました。
男女の違いは力仕事など、平等にしたくてもできないことはたくさんあります。
それは差別ではなくて区別だと小野さん。
「女性には出産や育児、家事に後々は介護まで、色々女性の能力でその役割をこなすときがくる。だからこそ、一人ではできない、いろんな人たちの手助けあってできるということを知るのが一番大切だと思う。
これから会社を興す女性に伝えることがあるとしたら、パートナーを探すことが大事。
パートナーは結婚する相手だけではなく、仕事の経営の上でのパートナーであるかもしれない。」
両立なんて無理、というのを受け入れることも大事なのかもしれませんね!!
女性経営者として続けていくコツ
会社をそれほど大きくするつもりはない、と小野さん。
小野さんは会社のことを考えるとき、いつも5年先をみていたそうです。
「大きくするだけ人数がいる。雇用費がいる。
長く続けていくことを考えると、従業員を幸せにしたい。若い人たちも育てていきたい。
稼ぐという罪の意識を持っては経営は成り立たない。
従業員たちを幸せにするために、きちんとお給料をあげないといけないから。」
職人、監督、社長であっても携わっている人全ての人は対等な関係であり、敬意を表して仕事をしていきたい、という小野さん。
そうやって仕事に関わる全ての人に敬意を持ち、大切にしているからこそ、良い仕事を続けてこられているのだなと思います。
そして、小野さん、実は大事にしているのは「自分の勘」。
失敗してもカバーできると判断でき、やるべきと思ったことにはチャレンジする。
その前進するチカラとトライアンドエラーが経営者として続けてこられるわけですね。
社長になるときに「立場が人をつくる」と義理のお姉さんから言われたのだそうです。
ダメだったら3年でつぶれるから、それを目標に続ければ良いと。
そうやってひとつひとつ前進してきたから、地域の方たちに愛される工務店になっているのですね。
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これからどんな仕事がしていきたいか
小野さんは今までは年上の人、年配の人と話を聞くのが楽しいと思っていて、最近は若い人と話をするのが楽しいのだそうです。
自分と異なる人の声を聞くことで、新しい仕事を吸収する。
住マイスター勉強会もそのような場だと思ってくださっているとのこと。
私もそういう思いがあり、住マイスター勉強会の運営お手伝いをしています。
毎回いろんな方の仕事や経験を教えてもらって、本当に意識が変わりましたから!!
小野さんは今後どんな仕事がしていきたいか、という質問に対して
人のためになることをコツコツ残していきたい。
とお話しされていました。
スタッフの方たちが笑顔になれる仕事環境と、お客さまが笑顔になれる家づくり。
大きなことを大きく言うのではなく、自分たちの目の届く範囲で、丁寧にひとつずつ積み上げていくことは、信用を重ねるのだなと感じました。
ドライな雰囲気の小野さんですが、ご自身の感情の動きにはとても正直で可愛らしいところも。
きっと男性社会の建築業界に、爽やかな風を吹かせてくれたのだと思います。
男性社会でも、女性らしさを活かして仕事をしていける。
そんな先輩の姿に、私も勇気をもらいました。
本当に勉強になりました。小野さん、ありがとうございました。