「居心地の良い家」をつくる

居心地の良い家をつくる

家族が一緒にいても、それぞれ好きなことをしていても、お互いリラックスできて安心できる居場所。「居心地の良い家」は日々の暮らしを穏やかにし、仕事や学業に向けた活力を生み出します。

広さ、収納量、機能については家づくりの際に誰もが意識すると思いますが、リラックスしたいのにも関わらず、「居心地の良さ」に重きを置く人は少ないのではないかと思います。

普段忙しい子育て家庭にこそ、「居心地の良い家」づくりをオススメします。

みゆう
みゆう

女性一級建築士みゆうです。広い空間を作っただけでは居心地の良い空間にはなりません。仕事から帰ってほっとする、子どもが「うちの家が一番好き!」と言ってくれる家を作りましょう。

「居心地の良い家」とはどのような家?

「居心地の良い場所」と聞くと、リビングダイニングなどをイメージするかもしれません。しかし、家の「居場所」とは「家族が集う場所」に限りません。

みゆう設計室が設計した「森を望む家」では、お客さまが「家に居場所がたくさんある」と感じているそうです。

森を望む家
「森を望む家」

例えば「洗濯物を畳むときの洗面所作業台」「思わず本を読んでしまう書庫スペース」というように、家事・収納する場所も動線や配置、窓開口などに配慮したので居心地がとても良く、「居場所がたくさんある」と感じるのでしょう。家事スペースが心地よく快適だと家事ストレスも軽減されます。

つまり、広くて開放感のあるLDKだけをつくるのではなく、家事空間や収納スペースも含めて「過ごしやすい、暮らしやすい」と感じる家にすることが「居心地の良い家」を作るコツだと思っています。

「居心地の良さ」をつくる6つの要素

ところで「居心地の良い家」、「複数の居場所がある家」をつくるためには、何に配慮したらよいのでしょうか。女性建築士みゆうが「居心地の良い家」を設計するために意識している6つの要素について紹介します。

「居心地の良さ」をつくる6要素
  1. スケール感(寸法、サイズ)から感じる心地良さ
  2. 片付けやすくて暮らしやすいから心地良い
  3. 色と素材から感じる心地良さ
  4. 暮らしにお気に入りを取り入れた心地良さ
  5. 光や風、音など環境からうまれる心地良さ
  6. シーン(見え方)、動線、人との距離感からうまれる心地良さ
みゆう
みゆう

それでは、この「居心地の良い家」をつくる6つのポイントについてそれぞれご説明します!

1.スケール感(寸法、サイズ)から感じる心地良さ

スケール感から感じる心地よさ

「天井が高い」「広い空間」「大きい開口の窓」、それらが心地よく快適な空間だと多くの方に認識されているようです。それは間違いありません。

しかし、狭い空間で天井が高いと一層狭く感じることがあります。また、広すぎて落ち着かない部屋もあります。

大事なのは「ヒューマンスケール」と「バランス」。その空間に合った広さや、窓の高さ・大きさがあるのです。

ヒューマンスケールとは

人間の身体を尺度にして空間との関係を考えること。人間の感覚や動きに適した空間の規模のこと

ヌックのデザイン例

テーブルと椅子を使う空間は少し天井が高めの方が上質な空間に感じます。広い部屋で天井が低いと圧迫感を感じます。また逆に、狭くて一人で籠もれるような空間(ヌック)が落ち着くと言われます。

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みゆう
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どのような過ごし方をしたいのか、どんな家具を使いたいのか、という視点から考えると暮らしに必要な広さ、スケール感が分かりますよ!

2.片付けやすくて暮らしやすい!から心地よい

お気に入りのものを飾るにも、好きなものがある空間を作るにも、やはり片付いた空間の方が落ち着きます。片付けやすく収納できる家は暮らしやすく、すっきりするので居心地良い家になります。

「居場所」から手の届く場所に必ず「収納」を。

ものを使う場所の近くに、簡単にすっきり片付けられる場所があればOK。当たり前のことのようで、とても難しいのがこの「過ごす場所の収納」です。ダイニングテーブルの近くに収納するスペースがあれば、ダイニングテーブルに書類や充電器や文具が置きっぱなしになることも避けられます。ラクに片付けられることが大事です。

ダイニングに隣り合う便利な収納
みゆう
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これがすっきり収納できたら居心地良いのにな・・・と不満に思う物の収納スペースはきちんと確保しましょう。すぐに片づけられる、片付けることが苦にならない家は居心地が良くなります。

3.色と素材から感じる心地良さ

インテリアの色と素材

畳や無垢のフローリングは肌触りが良く、漆喰などの左官壁は調湿効果があり快適な家だなと感じます。予算やメンテナンスしやすさとの兼ね合いもありますが、自然素材を適切に使うと心地よい空間になります。

また、色や柄も上手に取り入れると空間のお気に入り度が増します。色の効果をつかってリラックス空間を作ることも可能です。

みゆう
みゆう

木の家が好き!という方は多いのですが、自然素材の使いすぎで野暮ったく見えることもあります。色を取り入れるのも、自然素材を取り入れるのもバランスが大事です。

4.暮らしにお気に入りを取り入れた心地良さ

趣味を楽しめる家、好みのテイストを揃えた家。コレクションを飾れる家。
暮らしに「お気に入りのもの」を取り入れると、日々の暮らしの満足度が高まり居心地の良い家になります。

家が大好き!と感じる場所がたくさんあると、毎日が楽しくなりますね。

お気に入りのある家

リラックス空間のリビングダイニングに限らず、例えば「部屋のドアの色が好き」とか「鏡の形が好き」というように、小さなお気に入りを家のいろんな場所に集めてみましょう。

お気に入りが集まった家はとても居心地がよくなります。

みゆう
みゆう

「お気に入り」がたくさんある家、大好き!だと感じる家を作りましょう。

5.光・風・音など環境からうまれる心地良さ

光・風・音など環境からうまれる心地良さ

光を取り入れるときは窓から熱も入り込むので、カーテンやガラスの機能も考え、内装の色や窓の位置、素材感で明るさをトータルに計画します。

基本的には風が通りやすい窓計画にし、外からの見え方、部屋から見える風景などにも配慮します。家族の暮らし方と敷地の周辺環境を最大限活かすことで、小さな敷地でも、都市部の住宅密集地でも心地よい家が作れるのです。

また、音や振動を遮り、音によるストレスを軽減させることも心地よい家をつくる大事なポイントとなっています。近隣との音トラブルもありますし、家族間で音を気にすることもあります。リモートワークをする際にも家族間で声や音を気にしないで済むようになると心地よい家になります。

みゆう
みゆう

子どもが伸び伸びと暮らせる家にしたいので一戸建ての家を建てるという人はとても多いですね。マンション暮らしをしている人も、音ストレスを減らせる家にしたいという要望は多いです。最近は音配慮をした部屋を作るのが標準になっても良いのでは!?と思っています。

6.シーン(見え方)、動線、人との距離感からうまれる心地良さ

幼児期は親子がお互いの様子を目で見て確認して安心できる間取りが好まれます。その時期は、子どもの居場所とお母さんが家事をする場所のそれぞれの心地よさが必要です。

子どもが大きくなると、今度は子どもの様子が見えにくくなります。そういう時は近くにいて様子を伺いながらも、子どもが自分の居場所を感じる空間をつくると良いと思います。

程良い距離感のある家

これは夫婦二人の関係、親子二人の関係も同じ。向き合い過ぎるとケンカになることも。「程良い距離感のある家」が家族の関係を良くすると思います。

いつも同じ空間に一緒にいるから安心するのではなく、ほど良くお互いの存在を感じ、尊重しあう空間は、居心地の良い空間になります。

みゆう
みゆう

程良い距離感を持てると同じ空間でも一緒に過ごしやすくなります。テーブルや椅子の配置(距離感)を少し変えただけで居心地の良いダイニングに生まれ変わった事例もあります!

程良い距離感を保てるLDKの配置

LDKの居場所

広いLDKの場合、勉強や軽作業、仕事ができるワークスペース、読書スペース、一人で落ち着いて過ごせる場所など、いくつかの居場所をつくり、それぞれに必要な収納を設けます。可能な限り、それぞれのゾーンが向き合い過ぎないように、背を向ける配置にします。そうすると、長時間家族が同じ空間にいても程良い距離感が保てます。

同じ空間で過ごすと言っても、必ずしも家族が皆向き合い同じ方向を見る必要はないのです。居場所があるとお子さんも安心して過ごせます。学業にも集中できるでしょう。

動線を避けて心地よいスペースをゾーニングする

「森を望む家」は玄関からリビングに入って正面に森が見えます。

そして、とても大事な点が「シーン」です。リビングに入ったときに正面に見えるもの。例えばおしゃれなソファーがリビング正面に見えたら、リビング入り口に立つ人からしたら素敵なリビング!と感じるかもしれません。しかしソファーに座っている人は玄関から入ってきた人から見られることが不快に感じるかもしれません。

私が居心地の良い場所を考える時はそれぞれの「居場所」に視点を置いて心地よいかどうか考えます。

外出から帰ってきたときの家の見え方、玄関アプローチ、日々の動きの中で見えてくるシーン。動線上はあまり落ち着かないスペースなので、動線を避けて心地よい場所をゾーニングしましょう。

動線とは

人が空間を移動するときの「経路」「軌跡」のこと。家族が動き回るルートをイメージしてみましょう。

みゆう
みゆう

間取り相談をしていると、リビングやダイニングの大半が動線上にある間取りが見られます。動線上はリラックススペースにはならないので、動線以外のスペースがどれくらい確保できるかチェックすることも大事です。

まとめ

「居心地の良い家」をつくるレシピ。いかがでしたか?

住まいの中の「居心地の良い居場所」の6つの要素について、ご家族で考えてみてくださいね。

まとめ
  • 居心地を良い家にするには、まずその場所で使うものを片付ける収納
  • 欲張らず、適切な広さと窓サイズで環境の良い空間をつくる
  • 動線と交わらない、囲われた空間は居心地が良い
  • 大好き!と思える場所を家のいろんな場所に作ろう
  • 家族と程良い距離感を持てる空間は居心地が良い

あなたにとっての「居心地の良い家」をみつけるために、いえづくりレシピを参考にしていただければ幸いです。

みゆう
みゆう

ここに書いていることは「居心地の良い家」をつくるための方法の一つです。大事なのは、あなたにとっての「居心地の良い家」をつくること。どの時間帯に何をして過ごしたいか、家族と話してみることをオススメします。

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