「子育てしやすい家」をつくる

子育てしやすい家をつくる

育児の考え方や、子どもとの向き合い方は人それぞれ。だからこそ、子どもとの向き合い方や関わり方を反映させた家は「子育てしやすい家」になります

私のワーキングマザーとしての経験や悩みとお客さまとの対話、ご意見から生まれた「子育てしやすい家」。リアルな声を元にした子育てしやすい家について紹介します。「子育てしやすい家」を作って、育児ストレスを軽減させた笑顔の日々を過ごしませんか?

みゆう
みゆう

女性一級建築士みゆうです。自分の家事・育児・仕事の両立による悩みと経験を活かして、子育て中のパパママの家事・育児負担を減らす家を設計しています。

「子育てしやすい家」とはどのような家?

ところで「子育てしやすい家」ってどのような家なのでしょうか?
女性建築士みゆうが「子育てしやすい家」をつくるために意識して設計しているポイントは次の6つです。

「子育てしやすい家」とは
  1. 育児ストレスを減らす家
  2. 子どもの自立を促す家
  3. 子どもと一緒に過ごしやすい家
  4. 子どもの成長段階に合わせて変化しやすい家
  5. 「使える」子ども部屋がある家
  6. 安全で、健康に過ごせる家
みゆう
みゆう

この「子育てしやすい家」をつくる6つのポイントについてそれぞれご説明します。お子さんの性格や自分たちの育児の仕方を思い浮かべて読んでみてくださいね。

1.育児ストレスを減らす家

まずは家のどんな部分に育児ストレスを感じるのかリストアップしてみましょう。家の中で育児ストレスを感じる、と言われるものを集めてみました。自分の考えが他者と同じでなくても良いので参考までに!

育児ストレスを感じる点
  • 音や振動(自分がうるさいと感じるか、近隣に対して気を使うからか)
  • 汚れや傷(汚れがつくこと、汚れを掃除しないといけないこと)
  • 危険なこと
  • 勉強をしない、学用品を整理しない
  • 子どもが片付けをしない(おもちゃなど片付けが大変)

「育児ストレス」に対して何なら許容できる?

例えば「音」でも自分が聞こえる音にはストレスを感じないけれど、近隣の人を不快にさせてしまう「音」にはストレスを感じる人がいます。逆に近隣へは気を使わなくても良いけれど自分が聞こえる「音」にストレスを感じる人もいます。

あなたにとって何が許容できて、何が許容できないか。これは誰もが同じではないので、自分たちの家族ベースで考えてみてください。

具体例:壁が汚れることに関する育児ストレス

具体例として「子どもが壁を汚すこと」について考えてみます。あなたがイヤだと感じるのはどの点ですか?過去には安っぽいクロスの汚れ方はイヤ、というように素材に限定して汚されると嫌だと感じる人もいました。

壁が汚れることに関する育児ストレス例
  • 壁を汚されることがイヤ!
  • 壁を汚すのは仕方ないけれど、汚れが簡単に落ちないのがイヤ!
  • 壁を汚すのは仕方ないけれど、将来壁紙を貼りかえることがイヤ!
  • 子どもが壁紙をはがすのがイヤ!
  • 子どもは壁を汚すものだからあまり気にしない

「子どもが壁を汚すこと」に対しても、ストレスを感じる点は人それぞれです。汚れが落ちないのが嫌という家には汚れが落ちやすい壁紙を選び、壁を貼り替えるのが嫌だという家には塗装仕上げを選べばよいと思います。

納得して決めれば、汚れた時にどうしたら良いかもわかるので、不安が軽減されますね。

家族みんなで家を大切にする
汚れたら子どもと一緒に壁をペイントするという考えもGOOD!

私は漆喰などの左官壁や木の壁が好きですが、「壁を汚されることがイヤ!」と思う方にはそのような壁を勧めないようにしています。ただ、家はずっと新築と同じ状態ではないと認識して、メンテナンスをすることも家族で楽しめるようになると良いなと思っています。

みゆう
みゆう

育児ストレスを感じるものをすべてをなくすことは難しいかもしれません。ただ、許容できるもので素材や空間を選ぶことで、極力育児ストレスを軽減できる家になると思います。

2.子どもの自立を促す家

子どもが自分で「やりたい!」「できる!」と思うような工夫。「わざわざ」にならず、その場に片付けられる収納など。家のありかたで子どもの自立を促すことも可能です。

見守ることで子どもの成長につながる家。できることならそのような家にしたいですね!

子ども部屋と玄関の間に設けた手洗い
帰ってきてすぐに手洗いうがいができる
「子どもの自立を促す家」の具体例
  • 帰ってきてすぐに手洗いうがいができる洗面台
  • 玄関にランドセル収納
  • どこに何があるか分かりやすい収納
  • 近くて明るいトイレはトイレトレーニングしやすい

子どもに「〇〇しなさい!!」と言ってもなかなかスムーズに動いてくれないですよね・・・。「目の前にないからできない」ことであれば「目の前にあればできる」ようになるかもしれません。

お子さんも身の回りの事を自分でしたり、お手伝いをしたりすることで自分に自信を持てるようになるかもしれませんね!

みゆう
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少しでも子どもが自分から自然に動ける動線の家であれば、子どもの自立にも繋がり、育児ストレスも軽減しますね!

3.子どもと一緒に過ごしやすい家

子どもが遊んでいる横で、大人も自分の時間を楽しめる家。家事の手伝いをお子さんが自然にできる家。家族で同じ時間を共有するというだけではなく、別のことをしていても一緒にいられる安心感のある家。

それが子どもと一緒に過ごしやすい家なのではないかと思っています。

子どもと一緒に過ごしやすい家

家族が揃う休日に家でゆっくり過ごしたり、家にいる時間を家族一緒に楽しみたいという家づくりの要望が多いのですが「具体的にどのように家族みんなで過ごしますか?」と伺うと、意外とその答えが出てこないものです。

一緒に過ごすと言っても、必ずしも親が子どもと一緒に遊ぶとは限らないですよね。具体的に「家族がLDKで過ごす休日」というイメージを描いてみましょう。

「家族がLDKで過ごす休日」のイメージ例
  • おもちゃで遊ぶ子ども
  • テレビを見るお父さん
  • タブレットで動画を見ている子ども
  • パソコンでオンラインショッピングをするお母さん

こんな光景はよく見られるのではないでしょうか。皆が同じことをしているわけではなく、それでも皆が近くにいて安心する。そのために「複数の居場所」を作ることをおすすめしています。

「複数の居場所」があるリビングダイニング

複数の居場所があるリビングダイニング
家事をする場所以外にも居場所が複数あるリビングダイニング事例

上記事例のリビングダイニングでは、ファミリーデスクとダイニングテーブルも同じ向きを向いていません。ファミリーデスクとソファの位置関係はお互い背を向いています。

同じ空間でいくつかの居場所を設ける場合は「向き合いすぎない」配置にすると、程良い距離感で家族が一緒に過ごせる空間になります。

みゆう
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程良い距離感を保てる家だと子どもが成長して青年期になっても家族が一緒に過ごしやすい家になります。

4.子どもの成長段階に合わせて変化しやすい家

子育ての過程を考えて家づくりをする方も多いと思いますが、今現在の育児の仕方、子どもとの関わり方だけで「子育てしやすい住まい」はできません。
子どもの成長段階によって空間の使い方は変わりますし、自立して家を出る時期も早いか遅いかは分かりません。逆に、早くに家庭を持って孫を連れて帰ってくるかもしれません。

家族の暮らし方、将来の生活スタイルはどのように変化するか分からないので、自由度の高い空間づくりが必要です。

子どもの成長段階に応じて変えられる子ども部屋

間仕切りやカーテンの工夫を凝らした子ども部屋

2室をつなげて将来的に間仕切りを設ける子ども部屋が一般的になってきました。「将来部屋を間仕切りできたらOK」とだけ考える人も多いのですが、間仕切り収納家具を設けたら片方の部屋が使えないこともあります。ドアや窓の位置、クローゼットの位置が悪いと家具配置ができないこともあります。

将来的にどのように子ども部屋を分けてどのように使うのか、家具配置も含めて事前に考えておきましょう。

みゆう
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子どものことだけでなく、夫婦がその家で過ごす将来のイメージも考えてみましょう。一度いろんな状況をイメージしてあると、想像とは違う暮らしになっても変化を受け入れやすくなります。

5.「使える」子ども部屋がある家

子どもの性格と親の子育ての考え方によって異なりますが、子ども部屋で遊び、勉強し、自室で寝るようになるのは小学校高学年~中学生くらいからでしょうか。

つまり子ども部屋を作っておいても、乳児期から小学校高学年まで約10年は子ども部屋として機能していない家が多く見られます。

しかし、思春期以降は必要な子ども部屋。

使える子ども部屋
  1. 子ども部屋として使わない時期(乳幼児期、低学年、子どもの独立後)
  2. 子ども部屋として使う時期(小学校中学年、中高大生、独立するまで)

子どもが「個室」として子ども部屋を使う時期と、使わない時期、どちらも有効利用できるように「使える子ども部屋」を作ることをオススメします。

個室として使わない時期に子ども部屋をどう使うか

子ども部屋として機能する前にどのようにその部屋を利用するか、また子どもが独立してからその部屋をどう活かすか。家を建てる前に一度考えてみましょう。

子ども部屋の有効利用の例(個室として使わない時期)
  • 室内干しスペースにする
  • シアタールームにする(遊び部屋にもなる)
  • 将来的に2室に間仕切りできる大きな部屋にしておいて、子どもの小さいうちは主寝室とする
  • 夫婦のそれぞれの寝室、もしくは趣味部屋にする

年齢を重ねると眠りが浅くなるため夫婦別室にしたいという人も増えます。子どもが独立した後も部屋を有効利用できるように事前に考えておくと、育児が終わった後の暮らしも楽しめるのではないかなと思います。

子ども部屋を納戸として使うと大変!?

お子さんが小さいうちに子ども部屋を納戸として利用している家はとても多いです。でもこれはとても危険。その部屋が子ども部屋として必要な時期には、家族それぞれに持ち物が増えています。

子ども部屋が必要になったときに、部屋に置いてしまった持ち物を収納する場所が無い!と悩むことになります。

将来的には子ども部屋としても使える納戸

逆に、将来的に子ども部屋にしようと思っている部屋の利用方法を考え、敢えて当分は納戸として利用できるようにして、かつスッキリ収納できる壁面収納を設けた事例もあります。物を増やし過ぎないように一目で見られる壁面収納を設けました。

みゆう
みゆう

趣味部屋にしてしまい、子どもに部屋を明け渡したくなくなる人もいました!家族皆で使える部屋にしておくと良いかもしれません。

6.安全で、健康に過ごせる家

子どもが安心できる家は、両親が笑顔で見守ってくれる家。危険なものが少なく、安全で、心地よさを感じる家だと思います。

空気・温熱環境が良く、清潔で、かつ心穏やかに過ごせる健康に過ごせる家。
家で事故が起きない安全の配慮や、耐震強度の高い家にすることも大事。家具を造り付けにしておくと、地震の時の転倒も避けられます。

「危険を知る」のも家での学びです。水や火は危険だから使わないのではなく、安全な使い方を暮らしの中から学べることも忘れないでください。

子ども部屋や寝室は造り付け家具に

子ども部屋の造り付け収納
デスク、本棚、収納をまとめて造り付け家具に

大きな地震があったとき、造り付けの家具を設けた家で壊れたのがコップ一つだったと聞きました。家具が固定されていることで地震の時に家具の転倒を避けるだけではなく、物の飛び出しも避けられるようです。子ども部屋をコンパクトにした場合は造り付けの家具をつくることをオススメしています。

子育てファミリーの土地探し

「家を建てたい」と考えた時に、最初に必要になるもののひとつが「土地」

子育てファミリーには「土地の価格」だけでなく、子育てをしやすい土地というのも土地選びの条件になると思います。

子育てしやすい土地探しの条件
  • 校区・学区
  • 通勤・通学
  • 周辺環境(買い物、交通量、ハザードマップ、病院、夜間の状況)
  • 土地の価格、広さ
  • 身内(両親、親戚等)の家との距離
  • 行政の子育て支援の充実度

さらに、土地を探すときに気を付けたほうが良いポイントについて下記のレシピも読んでみてくださいね。

この記事もチェック!

子育てしやすい環境の土地を選ぶ土地探しと選び方のポイント。子育てしやすい環境とは?

まとめ

「子育てしやすい家」をつくるレシピ。いかがでしたか?

子育て中だから、家づくりが楽しい。

そう思って家づくりをすることが、一番の「子育てしやすい家をつくる方法」です。

子どもがいると「片付かない」「落ち着かない」「汚れる」などのネガティブ要素が増えるのは仕方のないことなのですが、それ以上に「子どもがいるから家にいる時間が楽しい」と思える家の方が家が好きになれると思っています。

子どもと関わる家をつくる、というのは本当に楽しいものです。ぜひ、子育てしているから家づくりが楽しい、と感じられるような家づくりをしてくださいね!!

まとめ
  • 育児ストレスを感じる点を洗い出してみよう
  • 「わざわざ」にならない家は、子どもだけでなく大人も暮らしやすい
  • 同じ空間にいても程よい距離感を保てると家族一緒に過ごしやすい
  • 子どもの成長段階に合わせて、暮らしも変化させてみよう
  • 子育て中だから、家づくりが楽しい。
みゆう
みゆう

ここに書いていることは「子育てしやすい家」をつくるための方法の一つです。大事なのは、あなたたち家族にとっての「子育てしやすい家」をつくること。お子さんと向き合って、自分たち家族が一番良いと思う家を作って下さいね。

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