家事動線とは?家事ラクな家をつくるための基本を知ろう

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家事動線とは?家事ラクな家をつくるための基本

家事動線の良い家にしたい、という人は多いですが、そもそも「家事動線の良い家」とはどのような家のことを言うのでしょうか。そして「家事動線」とは何なのでしょうか。

家事の仕方は人それぞれですから、家事動線の良い家も実は人それぞれ。まずは、あなたにとっての家事動線の良い家について、考えてみましょう。

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家事動線とは

「動線」とは、人が空間を移動するときの「経路」「軌跡」のことを言います。つまり「家事動線」とは家事をする上での「移動距離」のことを言います。

家事動線とは

主に歩く距離のことを動線と言うことが多いですが、高さ方向への移動が短い家や、家事動作が少なくて済む家も家事動線が短い家と言えると思います。

家事と言ってもその動作は多岐にわたるので、家事の「一連の動作」が全て楽になり、家事の「動線」が短くなることが家事ラク動線の理想像です。

具体的な洗濯動線の参考例

それでは例として洗濯をするときの「動線」と「動作」について考えてみましょう。

洗う衣類をまとめる

これから洗う衣類を仕分けたり、洗濯ネットにいれたりする作業。カゴに洗う衣類を入れている場合は「カゴを置く場所」と「洗濯機」との距離や動作が洗濯動線に影響します。

洗濯機で洗う

ただ洗濯物を洗濯機で洗うだけ、と思いがちなのですが「洗剤を置く場所」も出し入れしやすい場所かどうかで洗濯動線に影響します。

洗濯物を干す・乾かす

洗濯動線として一番意識したほうが良いポイントです。

・洗濯機から洗濯物を取り出して「洗濯物を干す場所」まで運ぶ距離
・洗った洗濯物を干す動作(ハンガーを取り出す、ハンガーにかける、物干し竿にかける、など)
・どの環境で洗濯物を乾かすか(外干し、室内干し、衣類乾燥機、浴室乾燥機など)

洗濯機のある場所と物干し場所の距離、物干しの道具を収納する場所、洗濯物を干す一連の動作が洗濯動線に影響します。

乾いた洗濯物を取り込む

洗濯物が乾くまで「待つ」という時間も家事時間。どこで干すか、乾かすかという方法によって「いつ洗濯をするか」という洗濯をする時間帯に影響します。

洗濯物を取り込むとき、干している時に衣類からホコリが落ちるので、その掃除も必要。次の「収納」方法によっても動線が変わってきます。

洗濯物を畳む

取り込んだ洗濯物を畳む、アイロンをかける、仕分け作業

洗濯物をクローゼット、タンスなどに収納する。

洗った洗濯物をクローゼットやタンスに収納するのがとにかく面倒だという人はとても多いです。干す場所(乾かす場所)と衣類収納の距離、収納方法によって大きく動線が変わります。

「家事動線」とひとことで言っても、洗濯だけでもこれだけの動作が必要になります。自分の家事にとって苦痛だな、負担だなと感じる部分はありますか?その点をスムーズにできるようにしておくと家事動線の良い家になるでしょう。

家事動線を短くするためには

家事動線

家事動線を短くするためには、家事をする際に動く歩数を減らす必要があります。先ほどの「洗濯の一連の流れ」から見ると、洗濯機から干す場所に運ぶ衣類を畳んだ場所から収納に片付ける、作業は場所が離れて移動距離が長くなることがあります。

具体的には「1階の洗面所→階段→2階のバルコニーに洗濯物を運ぶ」などの移動距離です。

家事動線(移動距離)が長いと家事負担が増えるもの
  • 洗濯機から物干しスペースまでの距離(洗って水分を含む衣類を運ぶ)
  • 洗濯物を畳む場所から衣類収納までの距離(収納場所が家族別々なので、それぞれの部屋に運ぶ)
  • キッチンのシンクや食洗機から背面収納や食器棚までの距離
  • ダイニングテーブルとダイニングで使うものを収納するスペース

全ての家事動線が短いことが理想ではありますが、移動距離が長くてもあまり負担にならないものもあります。重い荷物(洗った後の洗濯物など)を持って移動する、頻繁に行き来する家事動線が長いと特に苦痛に感じます。

例えば食器洗い乾燥機と食器棚などは、何度も往来する分、数歩の違いが大きな差になります。一歩も歩かずに後ろを振り向くだけで片付けられるキッチン背面収納を設けた家はとても家事が楽だと喜ばれています。

洗面所とキッチンが近いから動線が良いとは限らない

家事動線の良い家、としてキッチンと洗面所の距離が近い家と言われることが良くあります。キッチンと洗面所が近いと料理をしている間に洗濯物の様子を見たり、子どもがお風呂に入っている様子が分かったりするので家事育児負担が軽減するということで喜ばれるのですが、これはどの家にも「家事が楽になる動線」になるとは限りません。

それは、料理と洗濯とは別の家事なので、キッチンと洗面所を頻繁に行き来するかというとそうでもない人が意外と多いからです。

キッチンと洗面所の家事動線

頻繁に行き来する家事動線を優先する

私はヒアリングの際に「洗濯をする時間」について伺うようにしています。

キッチンと洗面所を行き来する回数が多い人は、料理やキッチンの片付けをする時間帯に、同時に洗濯をしていると思います。例えば朝ご飯を作りながら洗濯機を回して、乾燥機に入れて・・・という人。夜ご飯のケースもありますが、夜の場合は入浴後に洗濯をする人の方が多いので、朝食をつくる時間帯に洗濯をする人は洗面所とキッチンとの距離が近いと家事動線が良くなるでしょう。

その際にも、本当にキッチンと洗面所を行き来する回数は多い?ということを、今の生活から思い返してみてください。洗濯機を回す、取り出すという作業を朝食を作る時間にする場合、多くても2~3往復くらいなのではないかと思うのです。

それよりも洗濯物を片付ける動線や洗濯物を干す際の動線の方が衣類を持って移動するので家事負担がかかります。

キッチンと洗面所を行き来する理由が「お化粧のため」「朝の準備のため」などであれば、近い方が良いので、何のためにキッチンと洗面所が近くするのかその理由を考えてみましょう。頻繫に行き来する家事動線を優先する方が、全体の家事負担を軽減できると思います。

まとめ

家事動線の良い家をつくるには
  • 動線=家事をする上での移動距離
  • あなた自身の家事の動きに合わせた動線にする
  • 頻繁に行き来する家事動線は短くしましょう

家事動線の良い家をつくりたいときは、今の家で家事をしているうえで「不便だな、手間がかかるな」と思う動線を短くして、逆に「便利」と思っている動線は同じように短くしてあげると良いと思います。

家事ラクな動線の家をつくるには、自分の家事の仕方を思い浮かべることが大事ですね!他者の家事のしやすさも参考になりますが、一度自分の家事の仕方を見つめなおしてみてくださいね。

一級建築士事務所みゆう設計室

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